乾電池の正しい捨て方は? 処分方法と注意点をチェック!

「乾電池の処分方法が分からない」「ゴミとして処分しても良いのか?」など、乾電池の捨て方で悩んでいる方が多いでしょう。乾電池にも、ニカド・ニッケル水素・リチウムイオンとさまざまな種類があります。基本的に、電池はゴミとして回収できますが、種類によってはリサイクル回収となっている電池もあるので注意が必要です。

本記事では、電池の処分方法と注意点を種類ごとに説明します。

  1. 乾電池は何ゴミか?
  2. 乾電池の処分方法は?
  3. 乾電池を処分する際の注意点
  4. 乾電池の処分に関してよくある質問

この記事を読むことで、乾電池の処分と注意点が分かります。捨て方で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

1.乾電池は何ゴミか?

乾電池にもさまざまな種類があります。まずは、種類を把握し、何ゴミに分類されるのか基礎知識を押さえておきましょう。

1-1.乾電池の種類は?

乾電池の種類を大きく分けると、1回かぎりの「電池」と充電すれば何回も使える「充電式電池」の2種類があります。1回かぎりの使い切り電池は「ゴミとして回収」、くり返し使うことのできる充電式電池は「リサイクルとして回収」されるのが基本です。

1-1-1.1回かぎりの電池

テレビのリモコン・目覚まし時計・懐中電灯・おもちゃ・電動歯ブラシなど、一般的な電池となるのが「アルカリ乾電池」や「マンガン乾電池」の筒形の乾電池です。ほかにも、リチウム一次電池・酸化銀電池・アルカリボタン電池・空気亜鉛電池などがあります。

1-1-2.充電式電池

充電式電池は、二次電池(蓄電池)とも呼ばれ、さまざまな種類があります。主な種類は、産業用・自動車用として使われることが多い鉛蓄電池、ニカド電池やニッケル水素電池などのアルカリ蓄電池、リチウム関連のリチウム二次電池です。

1-2.乾電池はゴミとして回収できるのか?

ゴミとして回収できる乾電池は、1回かぎりの電池だけです。アルカリ乾電池・マンガン乾電池・リチウム一次電池は、多くの自治体で「不燃ゴミ」となっています。しかし、自治体によっては「有害ゴミ」に分類しているところもあるため、事前に処分方法をホームページや掲示板等で確認してください。回収できる電池の種類も自治体で異なるケースがあります。誤った方法で処分すると、発火・火事の原因になるのできちんと確認することが大切です。

1-3.リサイクル回収されている電池は?

一般的に、リサイクル回収が推奨されている電池は、充電式電池です。ニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池・小形シール鉛蓄電池などには「充電式電池リサイクルマーク」が本体に印刷されています。リサイクルマークがついている電池は、「資源有効利用促進法」に基づいてリサイクル回収が義務づけられているのです。よって、自治体で処分できません。リサイクルマークに関しては、「一般社団法人電池工業会」のホームページをご覧ください。

2.乾電池の処分方法は?

それでは、乾電池の具体的な処分方法について解説します。

2-1.アルカリとマンガン乾電池

アルカリとマンガン乾電池は、自治体での回収が可能です。自治体によって、「不燃ゴミ」または「有害ゴミ」に分類されるでしょう。処分前に、ホームページや掲示板などでゴミの分類を確認してくださいね。

また、ゴミを捨てる際には、電池のプラス極とマイナス極をセロハンテープなどで絶縁しなければならないなど自治体ごとでルールが決まっています。ゴミの分類を確認する際に、処分方法もあわせてチェックしておきましょう。分からないまま捨ててしまうと、後でトラブルになりかねません。ホームページに記載されていないときは、電話や窓口で必ず確認してください。

2-2.ボタン電池

ボタンやコインの形をした電池は、「ボタン電池」といわれています。基本的に、ボタン電池は市町村のゴミに出すことができません。自治体でゴミとして回収できないものは、公共施設や家電量販店などに設置されている「回収ボックス」に入れて捨ててください。ボタン電池には微量の水銀が含まれているため、ゴミとして処分すると空気汚染につながるので注意が必要です。ただし、回収ボックスに入らないサイズのものもあります。回収ボックスに入らないボタン電池は、サービスカウンターで捨ててもらえるか尋ねてみてください。

2-3.充電式電池

ボタン電池と同じく、充電式電池も自治体では回収できません。この場合も、販売店などに設置されている回収ボックスに投函(とうかん)するか、従業員に声をかけて回収してもらいます。回収協力店が分からない場合は、「一般社団法人電池工業会」のホームページで検索できるので、ぜひ探してみてください。

2-4.不用品回収業者へ依頼する

乾電池以外で処分したい不用品があれば、不用品回収業者へ依頼するのも選択肢の1つです。不用品回収業者では、ほとんどの不用品回収を行っています。自治体で処分しづらいもの、ゴミの分類が分からないものなどがあれば、まとめて回収してもらいましょう。

まとめて処分することで、費用が安くなることがあります。ただし、気をつけてほしいのが不正を働く悪徳業者です。高額な回収料金を請求するところがあるので、依頼前に見積書を細部まで確認しましょう。

3.乾電池を処分する際の注意点

乾電池は発火の危険性があるので、十分に配慮して処分しなければなりません。処分前に知っておきたい注意点をいくつか紹介します。

3-1.残量を確認して使い切ってから捨てる

完全に電池を使い切らず複数の電池をまとめて袋などに入れておくと、ほかの電池と接触して発熱・破裂することがあります。そのため、残量を確認して使い切ってから処分してください。使用可能な電池があるか調べたいときは、バッテリーチェッカーを使うと良いでしょう。バッテリーチェッカーは、100円均一などで購入できます。

3-2.発火の危険を防ごう

電池をほかの電池やネックレス・ヘアピン・コイル・鍵などの金属製品と一緒にしておくと、ショートを起こし発火する危険があります。金属は電気を流す特徴があるため、電池のプラス極とマイナス極に金属部分が触れると大きな電流が流れるのです。

また、ボタン電池がマイナス端子部に挟まりショートすると、電池が充電または過放電状態になり破裂・発火を起こすおそれがあります。これらの発火を防ぐために、セロハンテープ等でプラス極とマイナス極を絶縁してください。ほかの金属と一緒に入れるのもNGです。

3-3.液漏れに要注意!

残量のある電池を放置していると、液漏(も)れを起こす可能性があります。使用中・使用後に限らず、未使用電池も長期保存による自然劣化で液漏れを起こすので注意してくださいね。特に、アルカリ電池の液漏れは、水酸化カリウムで非常に強いアルカリ性を持っています。肌についた液をそのまま放置すれば、化学やけどを起こす可能性があるのです。そのため、液にさわったときはすぐに洗い流し、素手でさわらないようにしましょう。

また、液漏れを防ぐためにも、残量を確認し、使い切った状態ですぐに処分することが大切です。

3-4.改造・分解しない

電池や電池パックは、絶対に改造・分解してはいけません。分解すると、内容物で化学やけどを負ったり、破裂し発火したりするおそれがあります。また、改造すれば、危険を防止するための機能が損なわれ、破裂・発熱・発火の原因となるので要注意です。むやみに、自分で改造・分解しないように心がけましょう。

3-5.そのほかの注意点を要チェック!

ほかにも、電池は絶対に火中へ投入しないでください。破裂・発火するおそれがあります。電池を加熱したり、火の近くへ放置したりするのもNGです。また、乾電池やリチウム一次電池などは充電してはいけません。もし、誤って充電してしまうと、発熱・破裂・発火につながり非常に危険です。

さらに、すぐ捨てるから、と乳幼児の手の届くところに置くのも危険なので気をつけてください。誤って電池を飲み込むおそれがあります。コイン形リチウム電池の誤飲は、短時間で化学反応が起きるので死に至るおそれがあるのです。短時間でも、手の届かない場所に置くように心がけましょう。

4.乾電池の処分に関してよくある質問

乾電池の処分に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.リサイクルの目的・現状が知りたい。
A.リサイクルが義務づけられている充電式電池には、ニッケル・カドミウム・コバルト・鉛など希少な資源が使われています。限りある資源を無駄なく使うために、小型式充電電池のリサイクル活動が2001年に施行されました。毎年約5万トン以上の乾電池が一般廃棄物として自治体によって回収・処理されている状態です。まだまだ、リサイクル活動が徹底されておらず、資源有効利用の観点から乾電池の使用材料を有効にするための処理方法が定まっていない状態といえます。それでも、各国で新しい処理技術を研究したり、水銀をまったく使用しない乾電池の生産に努めたりと、さまざまな工夫を凝らしているのです。

Q.リサイクル回収された電池はどうなるのか?
A.回収されたボタン電池は、収集運搬業者を通じてリサイクルセンターに送られます。そして、適正に処理・リサイクルされ、新しい製品に生まれ変わっているのです。たとえば、ニッケルと鉄の合金はステンレスの材料として、カドミウムは新しいニカド電池の材料として再利用されています。くり返し使える充電式電池も、寿命がやってくるので、使えなくなったときはリサイクル回収を徹底してください。

Q.「小型充電式電池回収ボックス」と「ボタン電池回収缶」の違いは?
A.リサイクル協力店・電池販売店・ホームセンター・スーパーに設置されている黄色いボックスが「小型充電式電池回収ボックス」です。リサイクルマークがある電池はこの回収ボックスに投函してください。ボタン電池を回収しているのが「ボタン電池回収缶」です。ボタン電池回収缶も協力店舗・電気店・ホームセンターなどに設置されています。ボタン電池は微量の水銀を含んでいるケースがあるため、処分の際は環境への配慮が必要とされるのです。そのため、回収ボックスも区別されています。

Q.コイン形電池の処分で注意しておきたいことは?
A.よく間違えるのが、コイン形電池とボタン電池の処分方法です。どちらとも形が似ているので、コイン形電池と同じ方法でボタン電池を処分する傾向があります。ボタン電池はボタン電池回収缶、コイン形電池は自治体のゴミステーションによる回収となるので注意してください。この2つの見分け方は、電池の形状と記載されているローマ字です。ボタン電池の形状はYシャツのボタンように小さくて丸みがあり、「LR」「SR」「PR」などの型番が記載されています。一方、コイン形電池は硬貨のように薄く平らで、「CR」「BR」などから始まる型番が記載されている点が特徴です。

Q.電池の処分時に起きたトラブル例が知りたい。
A.後で捨てようとボタン電池をカゴの中に重ねていたところ、発火・破裂したという報告があがっています。ボタン電池は上面の平らな部分と側面がプラス極で、下面の少し出っ張った部分がマイナス面です。少し分かりづらい構造をしているため、取り扱いには十分に注意しておかなければなりません。また、ほかのゴミと一緒にしていたら発火し火事になったというトラブルが起きています。自治体の多くが、電池を捨てるときはほかのゴミと分けて出すように、と指定しているので注意してくださいね。きちんと自治体のルールと処分方法を守りましょう。

まとめ

一般的に、乾電池は自治体のゴミとして処分することができます。多くの自治体では、「不燃ゴミ」「資源ゴミ」に分類されていますが、各地域で異なるので事前に確認しておきましょう。また、充電式電池などリサイクルマークがついているものは、リサイクル回収が推奨されています。家電量販店や不用品回収業者など、さまざまな回収方法があるため、それぞれの処分方法を確認してください。さらに、処分時には発火を防止するために、金属と一緒にしない・セロハンテープで絶縁するなどの工夫が必要です。処分方法だけでなく、注意点もしっかり把握しておきましょう。