pHメーターの原理は?なぜ電極がふたつも必要なの?

pHメーターとは、溶液中のpHをはかる測定器です。溶液の中のpH値を調べたり、調整したりすることは、いろいろなところで行われています。

今回は、pHメーターの原理や使われる電極の種類などをご紹介しましょう。どのような状態の溶液のpH値を調整したり値を調べたりしたいかによっても、お勧めのメーターが変わってくるのです。

また、pHメーターの精度や寿命は製品によって変わってきます。その理由や電極の種類もご紹介しましょう。興味がある方はぜひこの記事を読んでみてください。

  1. pHメーターとは?
  2. pHメーターを扱う際の注意点
  3. pHメーターの値段と寿命の関係
  4. pHメーターの選び方

1.pHメーターとは?

pHメーターとは、溶液中のpH度を測定する機械です。小学校の理科の実験で、物質のpH値を調べたことがあるという方も多いでしょう。学校の実験では単純に酸性かアルカリ性かを調べるだけで終わりますが、pHメーターを使えばより詳しく数値化できます。

ちなみに、pH値7~8を中性。pH値0~7が酸性、pH値8~14がアルカリ性になります。pHメーターはガラス電極と比較電極があり、ガラス電極の周りを満たすpH値7に調整された塩化カリウムで構成されているのです。このガラス電極を測定したい水溶液の中につけると、ガラス電極内外のpHが異なることで起電力が生まれます。

そして、起電力が発生しない比較電極を一緒に測定したい溶液につけることで、起電力の差を測定するのです。これが、pHメーターの原理になります。

pHメーターは、溶液中のpHを調べる機械なんですね。
はい。幅広い場所で使われています。

2.pHメーターを扱う際の注意点

pHメーターは、前項でご紹介したように、電極を水溶液の中につけてpH値を測定します。ですから、pH値を計ったら電極を洗浄しましょう。特に、水溶液に不純物がまじっているときは要注意です。汚れをよく落とした後で、浄水ですすぎましょう。さっと拭いただけでしまうと、正確な結果が表示されなくなります。

また、いくら洗浄しても、取りきれない汚れはだんだんとたまっていくでしょう。そのため、定期的に標準液校正を行います。これを行わないと、劣化に気付かないこともあるのです。さらに、ガラス電極内部の塩化カリウム溶液が蒸発しても、測定ができなくなります。減ったと思ったら補充しておきましょう。

pHメーターを扱う際は、電極をよく洗浄することが大切なんですね。
はい。また、不純物混じりの溶液は正確な測定ができないこともあります。

3.pHメーターの値段と寿命の関係

pHメーターはいろいろなメーカーで販売されています。Amazonなどの大手インターネット通販会社でも取り扱っているでしょう。価格も数千円台のものから10万円ちかいものもあり、どれを選んでよいか迷う方も多いと思います。

そこで、知っておきたいのが、メーターの寿命と値段の関係です。前項でご紹介したように、pH メーターは測定するたびにメンテナンスが必要になります。ただし、メンテナンスをしていても劣化して正確な測定値が出にくくなることもあるのです。ですから、安価なものほど寿命が短いと考えましょう。

また、安価なものは電極や塩化カリウム溶液が交換できないものもあります。このようなメーターは2~3回使っただけで使えなくなるものもあるでしょう。しかし、たとえば油や金属溶液など電極に負荷をかけがちな水溶液を測定する場合は、安価なメーターをそのつど使い捨てにしていく、という方法もあります。

高価なpHメーターは電極や電極内の水溶液が交換できる仕組みになっているので、メンテナンスさえ怠らなければ長持ちするのです。しかし、その一方で、電極に負担のかかる水溶液を検査し続ければ、劣化は速まるでしょう。ですから、「おおよその目安でよいのでpH値を測定したい」という場合は、安価なメーターを使っても問題ありません。できるだけ正確で細かい数値を出したいという場合は、高価なメーターをメンテナンスしながら使えばよいでしょう。

高価な製品ほど長持ちする傾向があるんですね。
はい。また、正確な数値が測定できます。

4.pHメーターの選び方

この項では、pHメーターの選び方をご紹介していきます。ポイントをあげてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

4-1.測定やメンテナンスの手間で選ぶ

たとえば、水溶液をたくさん測定しなければならないという場合や、学校の実験でメーターを使いたいという場合は、簡単に測定できてメンテナンスの手間がかからないものを選びましょう。持ち運びに便利なケースがついたものや、電極の耐性を高めてスポンジでゴシゴシ洗っても大丈夫、というものもあります。

4-2.測定値の正確さで選ぶ

おおよそのpH値が分かればよいのか、正確な数値が必要なのかでも、お勧めのメーターは変わってきます。特に、ガラスのあわせめから内部液が流出する「スリーブ形」の測定器を選ぶと、測定値がより正確になるのです。ただし、いくら測定値が正確に出るものであっても、メンテナンスを怠れば正確な値が出ません。ですから、測定値が細かく出るタイプは、メンテナンスの手間もかかると考えておきましょう。

4-3.試用液の多い少ないで選ぶ

pHメーターはその原理上、値を測定するのに一定の試用液が必要です。プールのような場所の値を測定するならば、試用液はいくらでも取れるでしょう。しかし、貴重な水溶液の場合は、できるだけ試用液を少なくしたいというケースもあります。この場合は、極細電極を搭載したメーターを選びましょう。電極が3ミリ、8ミリといったものもありますので、スポイト一滴分の試用液があれば値を測定できます。

ただし、電極が細いということは、それだけ壊れやすくメンテナンスも大変です。ですから、扱いには十分注意しましょう。外でpH値を調べるためにどこでも持ち歩く、というような場合は不向きです。

4-4.導電率の低いものを測定したいかどうかで選ぶ

pHメーターは、起電力の差でpH値を計ります。ですから、不純物が少ない純水のような溶液は測定が難しいのです。このように、導電率が低い水溶液を測定したいという場合は、特殊ガラスを使用したメーターを選びましょう。そうすれば、わずかな値の違いも測定できます。

ただし、このようなメーターは価も高いので、壊れたからといってひんぱんに買い替えるわけにもいきません。導電率の低い水溶液を測定したいという場合は試用液をたくさん用意したり、大気中の酸素に影響を受けないようにして測定したりする方法もあります。ですから、どちらの方がよりコストが低いか考えてから選びましょう。

pHメーターの選ぶポイントは複数あるんですね。
はい。値段だけでなく、機能なども考慮しましょう。

おわりに

今回は、pHメーターの原理や選び方などについてご紹介しました。ここまでお読みいただければお分かりかと思いますが、メーターの電極や塩化カリウム溶液は、消耗品です。ですから、これを交換できるかできないか、によっても価格が変わってくるでしょう。これはほかの測定器にはあまり見られない特徴です。

測定器は高価なものほど中古市場も活発になっています。しかし、pHメーターの場合は部品の一部が消耗品のため、ほかの測定器に比べると中古の需要は低いでしょう。もちろん、丁寧に使っていて電極などを新品に変えたものならば、中古でも高い値段で取り引きされることもあるのです。

また、油脂類や金属が溶けた水溶液の値をおおよそ測定したいときだけ、安価なpHメーターを使いそのほかの場合は高価なものを使うという方法もあります。ちなみにpHメーターはただ保管しておくだけでも劣化するのです。ですから、めったに使わないという場合も高価過ぎるものはさけた方がよいでしょう。