計測器の校正とは? 校正方法・必要性や選び方のポイントについて

長さ・重さ・圧力・電気・温度・時間などを測定する機器を「計測器」といいます。計測器は何らかの数値のデータを計測する際に、必要不可欠なものです。計測する数値・データは幅広く、さまざまなシーンで使われています。ただし、正しい数値を測定するためには、定期的な校正が必要です。また、目的に合った種類を購入するためにも、知識を身につけておかなければなりません。

そこで本記事では、計測器の基礎知識や校正内容・方法、選び方のポイントなどについて詳しく説明します。

  1. 計測器の基礎知識
  2. 計測器の校正とは
  3. 計測器の校正の方法
  4. 計測器の選び方
  5. 計測器に関してよくある質問

この記事を読むことで、計測器の基礎知識や校正に必要な情報を知ることができ、目的に合った種類が購入できます。校正や購入を検討している方はぜひチェックしてください。

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1.計測器の基礎知識

計測器とは、一体どのようなものなのでしょうか。正しく使い、校正を行うためにも、計測器の基礎知識を身につける必要があります。メカニズムや目的・必要性、主な種類・メーカーについて詳しくチェックしておきましょう。

1-1.どういうものか

実在の状態や物体を物理量で表すことを‟測定”といいます。測定を行う際に、使用するのが計測器です。代表的な計測器といえば、スケール・ノギス・マイクロメーターなどで、これらはすべて長さを測定するものとなります。測定の対象物によって、計測器の種類も異なるのです。

1-2.メカニズム

計測器のメカニズムは種類によって異なります。たとえば、長さを測定するノギスの場合は、主尺と副尺という2つの目盛りを使って測定するものです。スライド部分に測定対象を挟み、本尺目盛りと副尺目盛りが一直線上にある点を見つけます。副尺の1は0.1mmを示しているため、本尺の目盛りとの足し算で測定物の経がわかる仕組みです。このように、計測器の構造を生かして対象物を測定します。

1-3.目的・必要性

計測器は何かしらの測定をしたいときに使用する機器です。ものづくりの現場においては必要不可欠なアイテムといえるでしょう。なぜなら、正しい寸法測定はものづくりの基盤だからです。きちんと製品の設計どおりに製作しなければ、安定した品質を提供することはできません。測定をおろそかにするだけで、品質に悪影響をおよぼします。製品の品質を維持するためにも、計測器を使用して確実な測定が必要です。

1-4.主な種類・メーカー

計測器の主な種類を、測定対象となる長さ・重さ・圧力・加速度・電気・温度・時間・光にわけてみました。

長さ

  • 定規
  • ノギス
  • マイクロメーター
  • ハイトゲージ
  • メジャーなど

重さ

  • 体重計
  • 電子天秤(てんびん)
  • バネ秤(ばかり)
  • トラックスケールなど

圧力

  • 気圧計
  • 真空計など

加速度

  • 加速度計
  • 慢性計測装置など

電気

  • 回路計
  • 電流計
  • 電圧計
  • 抵抗計
  • 周波数計など

温度

  • 温度計
  • 体温計など

時間

  • 時計
  • ストップウォッチなど

  • 分光光度計
  • 蛍光光度計
  • 天体望遠鏡など
測定器は、長さ・重さ・体積などを測定する機器の総称なんですね。
はい。どんな所にも1つは測定器があるでしょう。

2.計測器の校正とは

正確な測定値を示すためには、定期的な校正が必要です。測定値に誤差はありがちですが、校正をしなければ誤差が大きくなってしまいます。そこで、校正の基準や校正の必要性などについて詳しくチェックしておきましょう。

2-1.校正の基準について

校正は、標準器を使用して測定機器が表示する値と真の値の関係を求めることです。日本における計測器の校正は、計量法に基づいています。計量法によると、国家計量標準は、計量の標準となる特定標準器や特定標準物質によって定められているのです。測定にかんする校正において、国に登録されている事業者は「独立行政法人製品評価技術基盤機構」のホームページから検索できるようになっています。

2-2.なぜ校正をするのか

計量法における校正制度は任意であり、義務ではありません。そのため、校正を受けるかどうかは利用者によって異なります。しかし、校正をしなければ計測器の正確性を得ることはできません。また、測定方法の適切性も維持し続けることができないのです。特に、ものづくりを行っている企業や個人にとっては、顧客の信用にかかわることといえます。きちんと正しい数値を示す計測器を使わなければ、信頼できるものづくりができません。

2-3.校正の必要性・重要性

「日本製品は質が高くて信頼できる」と、海外から評価を得ているのは高い計測があるからです。現場の1人1人が正確に測定して製作するからこそ、レベルの高いものづくりができます。何度も話しますが、校正は正確かつ安定した製品の品質を維持するために必要なことです。校正をしなければ、測定値に誤差が生まれ、製品の品質も落ちてしまいます。

測定器は定期的に校正することが大切なんですね。
はい。特に精密な測定をする機器ほど校正は大切です。

3.計測器の校正の方法

それでは、計測器の校正の方法について説明します。

3-1.校正の周期

「どのくらいの頻度で校正をすればいいのかわからない」と、悩んでいる方は多いでしょう。校正は定期的に行うのが理想的です。基本は、測定機器を使用する前と使用後の2回となっています。ただし、毎回行うのは大変なため、事前に校正周期を決める企業・現場がほとんどです。校正周期は、メーカーの推奨を基準としていますが、測定機器の使用頻度によっても決まります。たとえば、ものづくりにおいて頻繁に使うノギスやマイクロメーターなどは、半年~1年に1回が一般的です。

3-2.校正の方法とは

校正の方法は、社内で行う場合と業者へ依頼する場合にわかれます。企業・工場によって異なるため、それぞれの事情に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。

3-2-1.社内で行う

社内で校正を行う場合は、自分たちで指定されている標準器などを購入して実施します。まずは、社内で校正者を認定しなければなりません。校正者は会社・企業のルールに従い、校正周期・校正基準を定めて校正を行います。企業によっては、JSCC登録校正事業者に依頼して、専門の校正担当者を派遣してもらうところもあるのです。

3-2-2.業者へ依頼する

校正担当者を会社に派遣してもらうほかに、業者へ測定機器を送る方法があります。測定機器を社外のJCSS登録校正事業者に送り、校正を行う方法です。社内で校正をするのではなく、社外で行うので‟社外校正”と呼ばれています。業者へ依頼する場合は、どのような校正を行うのか内容をチェックしておかなければなりません。

3-3.専門用語

スムーズな校正を行うためにも、専門用語を把握することが大切です。計測器の校正に関係する専門用語を、いくつか以下にピックアップしてみました。

  • JCSS:Japan Calibration Service Systemの略称。校正事業者登録制度と計量標準供給制度から成り立っている
  • 校正事業者登録制度:国から計測器にかんする校正の実施を認められた業者の登録制度
  • 計量標準供給制度:校正を計量器に対して行うことで、計量器の精度を対外的に証明する制度
  • 器差:測定機器が持つ精度のこと
  • 系統誤差:測定値のかたより
  • 偶然誤差:測定値のばらつき
  • アッベの原理:寸法測定の際の精度にかかわる原理。測定精度を高めるためには、測定対象物と計測器具の目盛りを測定方向の同一線上に配置しなければならない
測定器の校正は業者に依頼することもできるんですね。
はい。測定器がたくさんあるならば、業者に依頼するほうがおすすめです。

4.計測器の選び方

計測器はさまざまな種類があるため、目的に合ったものを選ばなければなりません。用途・目的に合ったものを選ばなければ、正しい数値を示すことができずに品質が落ちてしまいます。そこで、計測器の選び方のポイントや価格・相場、耐久年数、購入できる場所、中古品・レンタルなどについて詳しくチェックしておきましょう。

4-1.選び方のポイント

計測器の選び方は、対象物・目盛りの単位・コスト・測定環境・用途・測定のスピードと、6つのポイントが挙げられます。まずは、測定したい対象物を明確にしなければなりません。円形・直方形などさまざまな形状があるため、対象物の形・サイズを確認しましょう。計測器の種類によって、測定できる範囲(目盛り)が異なります。用途を確認しつつも、どのくらいまで測定できるのか目盛りもチェックが必要です。また、製造現場やオフィス・測定室など環境によっても適切な種類が異なります。環境によって、適切なサイズや測定スピードも変わるのです。

4-2.価格・相場

計測器の価格・相場は幅広く、必ずしもいくらとはいえません。気軽に使える簡易的なものは、10,000円以内で購入できるものもあります。会社・企業・工場などで使う計測器は、大きめのサイズが多く、精密な計測ができる機器ばかりです。精密な計測ができる機器は、500,000円~数百万円となります。中には、数千万円する計測器もあるのです。

4-3.耐久年数

国税庁のホームページによると、計測器の耐久年数はおよそ5年となっています。あくまで目安となるため、きちんと校正やメンテナンスを実施していけば、5年以上使い続けることも可能です。逆に、校正・メンテナンスをせず、間違った使い方をしていれば、5年以内で使えなくなる可能性があります。長く使い続けるためにも、定期的な校正・メンテナンスが必要です。

4-4.購入できる場所

計測器が購入できる場所は、販売メーカーの店舗や販売業者です。新品を購入したい方は、販売メーカーの店舗やホームページから申し込むことになるでしょう。メーカーのホームページではカタログが公開されています。新品でなくともいい・安く購入したい方は、中古がおすすめです。

4-5.中古品・レンタルについて

1度使用したものでもよければ、中古測定器業者などを利用して購入できます。中古品=状態が悪いものと思いがちですが、状態のいい測定器がそろっている業者もあるので安心してください。状態がいい中古が購入できれば、新品よりも低価格で手に入ります。

4-6.注意点

レンタルの期間や業者によっては、購入よりも費用が高くついてしまう可能性があります。どのくらいの期間レンタルをするのか、購入価格と比較しながら適切な方法を選択してください。中古を購入する際は、業者スタッフの対応や販売価格・品ぞろえなど細かい部分も確認したほうがいいです。中には、お金をだまし取る悪徳業者もいるので注意してくださいね。

測定器の選び方にはいくつかのチェックポイントがあるんですね。
はい。値段や使いやすさだけで選ばないことが大切です。

5.計測器に関してよくある質問

計測器に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.計測器の校正に必要な資格はあるのか?
計測器の校正に必要な資格はありません。ただし、正確に校正を行うことができる人を選ぶ必要があります。計量証明事業などを行っている業者の中には、計量器の検査や軽量管理を適切に行うために必要な知識・経験を有する「計量士」という資格を持っている人が在籍しているのです。

Q.社内で決めるべき、校正のルールは?
社内で校正を行う場合は、標準や手順書を定めておく必要があります。たとえば、校正員の教育手順書作成や教育実施・記録、校正方法の手順・記録などの品質管理を徹底させてください。

Q.定期的に行うメンテナンス・日常的にできるお手入れは?
正しく計測器を使用するためには、定期的なメンテナンスや日常的なお手入れが必要です。部品が劣化していないか、正常に稼働できるか、測定値に乱れがないかどうかを確認します。日ごろできるお手入れとしては、ホコリや汚れを取りのぞいてください。常に清潔な状態にしておくことで、測定値が安定します。

Q.買取額をアップさせるポイントは?
査定前に、できるだけキレイに掃除をしておきましょう。汚い計測器よりも、キレイな状態のほうが高く売れる可能性があります。また、購入時についてきた取扱説明書や専用箱・換えの部品などの付属品を一緒に提示してください。

Q.公差とは?
測定値と真実の値との差=誤差における、許容範囲の最大寸法と最小寸法の差を公差といいます。別名、許し代(ゆるししろ)とも呼ばれており、JISで規定されている許容交差は普通公差です。安定した品質を維持するためにも、公差を明確にしておかなければなりません。

まとめ

計測器は長さ・重さ・圧力などの値を数値化するものです。ものづくりの現場においては、必要不可欠なアイテムといえます。なぜなら、設計どおりに製作しなければ、安定した品質が維持できないからです。計測器を使えば、きちんと設計どおりに製作できます。計測器にもさまざまな種類があるため、用途・目的に合ったものを選ばなければなりません。きちんと基礎知識を身につけておけば、適切な種類を選ぶことができます。また、要らなくなった計測器が使える状態であれば、買い取ってもらえる可能性があるのです。高額で買取してもらうためにも、定期的な校正やメンテナンスを行いましょう。