入居者が死亡したとき原状回復の義務を負うのは誰? 詳しく解説!

年々増加している孤独死に、不安を抱えている大家さんは多いことでしょう。「入居者が孤独死した場合、誰が原状回復の義務を負うのだろう」と知りたい人もいると思います。

そこで今回は、賃貸物件で入居者が死亡した場合の原状回復義務について解説しましょう。

  1. 入居者が死亡した場合の原状回復は誰の負担?
  2. 孤独死が発覚した場合の対応と原状回復の手順
  3. 孤独死と告知義務について
  4. 孤独死の原状回復に関するよくある質問

この記事を読めば、原状回復義務は誰にあるのかだけでなく、原状回復の方法も分かるでしょう。孤独死の後片付けについて知りたい人は、ぜひこの記事を読んでみてください。

 

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1.入居者が死亡した場合の原状回復は誰の負担?

始めに、入居者が死亡した場合、誰が原状回復の義務を負うのかを解説します。

1-1.原状回復の義務は保証人が負う

賃貸契約を結ぶ際、賃借人は保証人を立てます。賃借人に何らかの理由があって家賃が払えなくなったり、退去する際に原状回復の費用が払えなくなったりした場合は、保証人が代わりに支払わなければなりません。ですから、賃借人が孤独死した場合、原状回復の義務は保証人が負います。

1-2.孤独死した人の遺産を相続した人が支払うこともある

孤独死した人の遺産を相続する場合、借金などの負の遺産も相続しなければなりません。そのため、孤独死した人の遺産を相続した子や孫、兄弟や親に原状回復にかかった費用が請求されることもあります。

1-3.請求できるのは原状回復の費用だけ

ただし、大家が保証人や遺産を相続した人に請求できるのは、部屋を原状回復する費用だけです。たとえば、孤独死したことが広まり部屋に借り手がつかなかった場合の損害賠償などは請求できません。また、原状回復も部屋だけです。建物全体の原状回復の費用は請求できないと考えましょう。

2.孤独死が発覚した場合の対応と原状回復の手順

では、孤独死が発覚した場合、どのように対応したらいいのでしょうか? 原状回復の手順と共に解説します。

2-1.まずは警察に連絡する

孤独死の現場を発見したら、警察に通報しましょう。この時点では事件性がある死なのか自然死なのか分かりません。勝手に室内のものに触ってもダメです。警察は事件性のあるなしを調査し、遺体を運び出してくれます。そして、部屋を片付けていいか許可も出してくれるので、許可が出たら原状回復を始めましょう。

2-2.遺族や保証人に連絡する

孤独死の現場を発見したら、保証人や遺族に連絡しましょう。何年も部屋を借りている人の場合は、保証人が音信不通になっている可能性もあるので注意が必要です。また、遺族が見つからない可能性もありますので、できるだけ早く連絡しましょう。遺族や保証人が駆けつけてきたら、部屋の様子を見せて原状回復の依頼をします。保証人は原状回復の義務がありますが、遺産を相続していない遺族は、原状回復の義務はありません。この時点で強く求めすぎないようにしましょう。

2-3.特殊清掃業者に依頼する

孤独死してから時間がたって発見された場合、遺体が腐敗して悪臭や虫が発生しています。また、遺体から出た有機物は有毒です。これらを掃除するには特殊清掃業者に依頼しなければなりません。一般的なハウスクリーニング業者では引き受けてくれないので注意しましょう。特殊清掃業者に依頼する場合、壁紙や床板の張り替えまで請け負ってくれるところならば、原状回復が早いので、そのような場所を選ぶのがおすすめです。

2-4.清掃と原状回復

特殊清掃業者は、遺体の痕跡を消すと同時に体液などが付着した家具や寝具、畳などをすべて回収してくれます。また、殺虫や消臭作業もしてくれるので、すべて任せましょう。その後、同じ業者に壁紙や畳、床板の張り替えを依頼するか、別の業者にリフォームを依頼してください。だいたい10日で痕跡がなくなります。

3.孤独死と告知義務について

告知義務とは、自殺や殺人事件があった物件は賃貸や売却に出す際、その事実を公にしておかなければならないということです。このような物件を「心理的瑕疵(かし)物件」と言います。ただし、事件性がない「死」の場合は告知義務がありません。たとえば、病気療養中の人が自宅で息を引き取った場合、それについて告知義務はないのです。孤独死も同様と考えられています。ただし、孤独死して時間がたっていた場合、いくらキレイにしていても遺体の跡や臭いが完全に消えるとは限りません。また、近所のうわさなどもあります。ですから、住人が孤独死し、発見までに時間がかかった場合は告知をするのが一般的です。隠したまま賃貸に出すのはおすすめできません。

4.孤独死の原状回復に関するよくある質問

この項では、孤独死の原状回復に関する質問を紹介します。

Q.孤独死はたとえ自殺であっても原状回復ですればいいのですか?
A.いいえ。自殺だった場合、債務不履行責任や不法行為責任が遺族や保証人に求められることがあります。これは、死が予想できなかったものと、死が自発的だったものの違いです。

Q.保証人がすでに死亡していた場合、その遺族に原状回復を求めることはできますか?
A.裁判を起こせば認められる可能性もありますが、実際は難しいでしょう。

Q.遺族が遺産を放棄した場合、原状回復を求めるのは難しいものですか?
A.はい。遺産を放棄すると一切の権利がなくなるので難しいでしょう。

Q.孤独死してすぐに発見されれば、特殊清掃の必要性はありませんか?
A.はい。24時間以内ならば大丈夫でしょう。

Q.孤独死に事件性が感じられる場合はどうなりますか?
A.真相が究明されるまで、原状回復はできません。そのままの状態で現場は保存されます。

まとめ

今回は賃貸物件で入居者が死亡した場合の原状回復義務を中心に、孤独死の片付け方などを紹介しました。孤独死は時間がたって発見されるほど掃除が大変です。孤独死はいくら気をつけても絶対に避けることはできません。ですから、1人暮らしの人は定期的に連絡を取り合うようにするなど対策をとることが大切です。