アポ電強盗とは? 具体的な手口や事例などを知って対策を整えよう!

詐欺被害が多発し、自分も被害に遭わないか不安に感じることがあるでしょう。被害に遭う前に、対策もきちんと整えておきたいと思うものです。近年、詐欺の手口が巧妙化しており、アポ電強盗が深刻な問題となっています。アポ電強盗とはどのようなものか、対策についてなど、被害に遭わないためにも知識を身につけておきましょう。アポ電強盗の具体的な事例を交えてご紹介します。

  1. アポ電強盗の手口
  2. アポ電強盗の具体的な事例
  3. アポ電強盗への対策
  4. アポ電強盗対策に役立つサービス
  5. アポ電強盗でよくある質問

大切な金品を奪うだけなく、殺人事件に発展することもあるのが、アポ電強盗の恐ろしさです。誰でも被害に遭う可能性があるため、普段から対策を講じるよう心がけましょう。

 

1.アポ電強盗の手口

アポ電強盗とはどのようなものなのでしょうか? 手口について解説します。

1-1.親族を装って電話をかけてくる

アポ電強盗は、親族を装って電話をかけてくる手口が多いあります。親族を名乗れば、警戒心を解いて話をすることができるからです。電話番号が変わった・体調を崩して声がおかしいなどと語るケースが目立ちます。

1-2.警察になりすます

警察になりすますアポ電強盗もいます。近年問題となっているオレオレ詐欺に引っかからないよう注意を促しつつ、自宅に現金があるか・1人で不在になる時間帯はないかなどを聞き出すのです。

1-3.調査員などになりすます

国税調査員やNHK職員になりすますケースもあります。家族構成や資産額を調査するなどと伝え、言葉巧みに情報を引き出そうとするのです。預金通帳を見せてほしいというケースもあるので注意しなければなりません。

1-4.オレオレ詐欺との違い

オレオレ詐欺は、無作為に電話をかけてターゲットを探す手口が多いのですが、アポ電強盗は相手の状況を探ってから狙いを定め、電話をかけて騙(だま)し取ります。オレオレ詐欺より巧妙で用意周到な手口であるため、騙されてしまう高齢者が多いのです。

2.アポ電強盗の具体的な事例

アポ電強盗の手口について、具体例を挙げてご紹介します。

2-1.東京都江東区東陽町

東京都江東区東陽町では、2019年2月28日にアポ電強盗による事件が起こりました。被害に遭ったのは、80歳の女性です。粘着テープで手足を縛られ、口を塞がれたことが原因で窒息死しました。犯人は軽自動車に乗った男3人組です。長野県で窃盗事件を起こした後に女性宅へ侵入し、事件を起こしたとして逮捕されました。

2-2.東京都渋谷区初台

東京都渋谷区初台では、2019年1月11日にアポ電強盗が起こりました。息子を名乗って電話をかけ、病気でお金を工面しなければならないと話し、90代と80代の夫婦から2000万円ものお金を奪っています。

2-3.東京都渋谷区笹塚

東京都渋谷区笹塚では、80代と70代の夫婦に息子を名乗る男から電話がかかってきました。同家の息子は医者で、病気で治療に多額のお金がかかると話す犯人の話を信じてしまい、400万円を振り込んでいます。犯行の手口から、家族構成や職業などを把握していたと推測できるでしょう。

3.アポ電強盗への対策

アポ電強盗の被害に遭わないためには、普段から防衛策を講じることが大切です。すぐにできる対策をご紹介します。

3-1.知らない番号には出ない

知らない番号からの着信には出ないようにしましょう。電話を無視できない場合は、留守番電話を活用し、名前と声を確認した後、かけ直すことも防衛策となります。ナンバーディスプレー機能を搭載した電話を導入し、家族・親戚・親しい友人などは登録しておきましょう。

3-2.1人でいるときは電話に出ない

1人でいるときは、電話に出ないよう心がけましょう。犯人に家族の不在を悟られてしまうだけでなく、相談相手がいない不安もあり、誘導されるまま答えてしまうケースもあります。1人のときは警戒心を強め、自己防衛に努めましょう。

3-3.むやみに個人情報を教えない

自治体・警察・調査員などを名乗る人物から電話があっても、むやみに個人情報を教えないでください。特に、家族構成を知られることは、アポ電強盗のターゲットになりやすいのです。高齢者の独居を狙う手口が多発しています。電話に出てしまった場合は、家族と同居しているなどの嘘(うそ)をついて防衛しましょう。

4.アポ電強盗対策に役立つサービス

アポ電強盗対策として有効なサービスをご紹介します。

4-1.警察の相談窓口

警察では、緊急時や事件発生時に連絡する110以外に、#9110という相談窓口を設けています。平日8時30分〜17時15分まで受付可能です。被害に遭う前に、自己解決しようとせず、まずは落ち着いて問い合わせてみてください。

4-2.自治体による録音機の貸し出し

自治体によっては、無料で録音機の貸し出しを行っている場合があります。通話記録は、アポ電強盗の証拠となるだけではありません。会話が記録されていることを伝えるメッセージが流れることにより、犯罪を未然に防ぐため効果があるのです。自治体での貸し出しがない場合は、市販の録音機を使ってみましょう。

4-3.詐欺被害リスク診断サービス

詐欺被害リスク診断サービスを提供するアプリを活用してみましょう。秋田県立大などが開発した「わたなべ教授のサギ抵抗力しんだ〜ん」では、80個程度の質問に答えるだけで、詐欺に遭うリスクを診断してくれます。また、どうすれば犯罪から身を守ることができるかなど、アドバイスをくれるのがメリットです。

4-4.おしゃべり人形を活用する

警察と民間企業の共同開発で生まれたサービスもあります。おしゃべり人形「あんしんみーちゃん」です。着信音に反応し、9種類の言葉を使って詐欺に警戒するよう語りかけてくれます。実際に導入した東京都杉並区の高井戸警察署では、半年で詐欺の被害をなくすことができました。

5.アポ電強盗でよくある質問

アポ電強盗に関する質問を集めました。

Q.アポ電強盗は誰にでも起こり得るものなのか?
A.はい、起こり得ます。特に注意が必要なのは、判断力が低下している高齢者です。高齢者の多くは、詐欺被害に遭うとは思っていないと考えています。しかし、実際に狙われるのは、独居の高齢者が中心です。離れて暮らす家族も、定期的に連絡するなどしっかり見守りましょう。

Q.不審な電話が増えたら場合の対処法は?
A.電話番号を変えるのも、1つの方法です。現在の電話番号が犯罪のターゲットになっている可能性があります。何度も不審な電話がかかってくるのであれば、犯罪から身を遠ざけるためにも、新しい番号に変えてみましょう。

Q.アポ電強盗が電話をしてくる目的とは?
A.会話を通して警戒心を解き、現金の置き場所を聞き出すためです。不在がちな時間を把握し、家に押し入って盗み出します。もしアポ電強盗と鉢合わせした場合、命を落とすケースもあるので注意しなければなりません。

Q.アポ電強盗対策サービスを悪用した詐欺もあるのか?
A.はい、あります。録音機などを貸し出すと語り、家庭環境を聞き出そうとするケースです。個人情報を少しでも聞き出そうとするようであれば、アポ電強盗などの犯罪を疑ってください。

Q.アポ電強盗の犯人がよく使う言葉はあるのか?
A.はい、あります。警視庁では、ツイッターの公式アカウント「警視庁犯罪抑止対策本部」をチェックしてみてください。子どもや周囲の人が教えてあげることで、少しでも犯罪被害を減らすことができます。

まとめ

詐欺の手口は、年々巧妙化しています。アポ電強盗による被害が増えているため、独居の高齢者などは特に警戒が必要です。アポ電強盗は、鉢合わせによる殺人事件も発生しており、日ごろから自己防衛をすることが求められます。対策グッズやサービスなども活用し、被害を未然に防ぎましょう。