
ストーブの正しい掃除方法をチェック! 楽にキレイにする方法は?
ストーブを使っているとき、付着しているホコリやススなどの汚れが気になっていませんか? 汚れが付着したままストーブを使い続けていると、そこから火がつき火災が起きる恐れがあります。外側だけでなく、目で確認できない内側も汚れが蓄積されている可能性もあるのです。しかし、誤った方法で掃除をすると、ヤケドをする危険があるので注意しなければなりません。
そこで本記事では、ストーブの正しい掃除方法と注意点を解説します。
この記事を読むことで、ストーブの正しい掃除方法が分かります。楽に掃除したい方は要チェックです。
1.ストーブを安全に使うために掃除が必要
なぜ、ストーブの掃除が必要になるのでしょうか。最初に掃除の必要性を把握しておけば、意欲も自然と湧き出てくるはずです。
1-1.ストーブの種類によってつく汚れも異なる
ストーブは、暖暖房器具の一種で、冬の寒い時期に欠かせないアイテムですが、さまざまな種類があります。ストーブの主な種類は、石油・ガス・電力・薪(まき)・液化石油ガスの5種類です。それぞれで汚れ箇所が異なるため、以下にまとめてみました。
- 石油:白灯油を使うストーブやファンヒーターが一般的。反射板や内側の芯がススで汚れやすい
- ガス:都市ガスを燃料としたもの。吸気口にホコリがたまりやすい
- 電力:赤熱式・ファン式・オイル式があり、トイレや浴室の脱衣室などにも使用されている。ホコリがたまる程度の軽い汚れが多い
- 薪(まき):内部や煙突部分にススがたまりやすく定期的なメンテナンスが必要
- 液化石油ガス:天然ガスが配管されていない地域で採用。コスパが高い。汚れは都市ガス使用と同程度
1-2.不具合や故障を防ぐために掃除は必要
石油やガスストーブは使用するときに空気を循環させるタイプが多いので、フィルターなどに部屋のホコリがたくさんたまりがちです。さらに、ストーブの内側にも、燃やしたときに出るスス汚れがそのままになっていることもあります。汚れがこびりついたまま使用すると、故障の原因になるので注意しなければなりません。
1-3.長く使い続けるためにメンテナンスをしよう
次のシーズンに使えるようにするためには、定期的なメンテナンスが必要です。特に、電気や石油ストーブのフィルターは部屋のホコリで汚れやすい箇所なので、週に1回の頻度で掃除してください。そして、月に1回は安全装置の点検を行います。正常に稼働している場合は、本体を揺すると安全装置が稼働するでしょう。逆に、動かない場合は故障の可能性が高いので、購入店へ連絡すべきです。
1-4.ホームタンクを使用している場合は水抜きをする
石油(灯油)ストーブでホームタンクを使用するケースは、年に数回の水抜きを行う必要があります。使用前に、本体に水がたまっている状態なら、必ず水を抜いてください。給油ポンプを使うと水が抜きやすくなるのでおすすめです。また、油フィルターにゴミがたまっている場合は、しっかりと取り出して灯油ですすぎよく乾燥させてから使いましょう。
2.ストーブ掃除の基本
それでは、ストーブ掃除の基本を紹介します。最低限でも、付着しやすい汚れや掃除のタイミングをチェックしておきましょう。
2-1.ほとんどの汚れはホコリとスス
ストーブに付着している汚れは、ほとんどがホコリとススです。オフシーズン中、外にある倉庫などで保管した場合は、砂ぼこりなども付着しているでしょう。ホコリやススはこびりついて落ちにくくなってしまうことがほとんどありません。そのため、基本的に家の中にある簡単な掃除道具でキレイにできます。ただし、使用後にきちんと掃除せず、油分が残った状態で保管した場合は、油とホコリ・ススが混ざり、頑固な汚れになってしまうこともあるでしょう。次のシーズンの際に簡単な掃除で再利用するためには、しまう前に掃除も必要なのです。
2-2.しまう前、シーズン前、使用中が掃除のタイミング
ストーブの掃除タイミングは、しまう前・シーズン前・使用中がベストです。使用中はどんどんススが出てくるので、こまめに掃除したほうがいいでしょう。汚れを見つけたときにすぐキレイにできるよう、近くに掃除道具を用意しておくとスピーディーに掃除できます。また、シーズン前としまう前も必ずキレイにしてください。しまう前は次のシーズンでも快適かつ安全に使うため、シーズン前は火災など事故を防ぐために必要です。
2-3.使用中の掃除方法は簡単!
使用中のストーブ掃除は、簡単な方法なので安心してください。基本的に、ストーブを分解する必要はありません。使用中は、本体を軽く拭く程度でOKです。から拭きで十分ですが、なかなか落ちない場合は、水でぬらし固く絞ったタオルを使いましょう。それでも落ちない場合は、薄めた中性洗剤をつけて布で拭き取ります。ススの掃除は、なるべく使用前にキレイにしましょう。
2-4.掃除前に必ず電源を切る、冷めていることを確認する
ストーブは暖房器具なので、掃除の際にはヤケドの恐れがあります。必ず冷めていることを確認してから掃除しましょう。念のため、電源を切っておくと安心して掃除ができます。また、ストーブの種類によっては、水拭きがNGなタイプもあるので要注意です。手元に取扱説明書があれば、一読してから掃除を始めてください。
3.ストーブ掃除の仕方は?
ここでは、ストーブの種類別で具体的な掃除方法を紹介していきます。
3-1.石油ファンヒーターはホコリを掃除機で吸い取る
石油ファンヒーターの掃除は、ホコリを取り除くことがメインです。油漏れなどの異変がないか確認しながら、以下の手順で掃除しましょう。
- ヒーターの電源を切り、熱がなくなるまで冷ます
- 掃除機で裏面の吸気口に付着したホコリを吸い取る
- 排気口も同じように掃除機でホコリを吸い取る
- ヒーターの外側に積もったホコリをから拭きでキレイにする
吸気口と排気口のホコリが除去しにくいときは、掃除機の先端を細いノズルにつけ替えてください。また、石油ファンヒーターの調子が悪いときは、中まで汚れがたまっているかもしれません。その際は、タンクの奥にたまった灯油を抜き、給油フィルターを抜き取った灯油ですすぎ洗いをしてください。後はぞうきんでタンクとフィルターを拭き、もとに戻すだけでOKです。
3-2.電気ストーブは水拭きNG
電気ストーブの掃除は、ほとんど水拭きができません。そのため、基本はぞうきんでのから拭きになります。以下の手順で、電気ストーブをキレイにしていきましょう。
- 表面にある、発熱体を覆っている網を取り外す
- 内部のホコリをから拭きしながら取り除く
- 外したときと同じ要領で網を取りつける
もし、網が外せないタイプの場合は、網の上から掃除機でホコリを吸い込んでください。内部のホコリを除去する際は、水でぬらしたタオルを絶対に使用してはいけません。水に濡れると故障する恐れがあるため、乾いたぞうきんを使いましょう。
3-3.ガスストーブはフィルターをキレイにする
プロパンガスや都市ガスを使用しているガスストーブは、掃除機とぞうきんを使用します。主な手順は以下のとおりです。
- ガス栓を必ず締め、コンセントを抜く
- 裏面吸気口にあるフィルターをやさしく外す
- 掃除機でフィルターの両面・吸気口・排気口のホコリを順番に吸い取る
- 外側にたまった汚れやホコリをぞうきんでから拭きする
- フィルターをもとに戻して完了
ガスストーブの掃除は、外せる部分は外して掃除機をかけることがポイントです。分解したほうが掃除しやすいと思われがちですが、絶対に分解してはいけません。また、すき間用の細いノズルや歯ブラシを用意しておくと、フィルターの細かい部分に付着したホコリが取れやすくなるでしょう。
3-4.掃除が面倒な薪ストーブ
薪ストーブは暖かみを感じやすいので人気がありますが、掃除やメンテナンスが面倒なデメリットがあります。シーズン中は、ガラスを含むドアまわりと炉の中の灰をキレイに掃除するだけでOKです。しかし、使う時期が終わったら本体の点検を行う必要があります。点検で必要な補修や交換がなければ、以下の手順で掃除してください。
- 炉の中の灰をキレイに除去する
- スカモレックス(耐火素材)を外し付着している灰やススを取り除く
- キレイになったスカモレックスをもとに戻し、ガラス面・ストーブ本体を掃除する
- 炉の中→煙突の順で掃除する
煙突の掃除は屋根に登る必要があるため、体力に自信がない方や高齢者は無理をしないほうがいいでしょう。転落事故を起こしかねません。困難な場合は、清掃業者に依頼してください。そのほうが安心して次のシーズンに使うことができます。
3-5.セラミックファンヒーターは掃除機でホコリを吸い取る
石油を使わないセラミックファンヒーターの場合は、基本的に中まで掃除をする必要はありません。ホコリがたまりやすい吸気口をこまめに掃除機で吸い取り、キレイにするだけで十分です。ただし、加湿機能があるものは中の部品を水洗いしたほうがいいでしょう。使用中は週に1回程度水洗いをすると、衛生的にキレイな状態がキープできます。
4.ストーブの掃除に関してよくある質問
ストーブの掃除に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.石油ストーブをしまう前の掃除方法は?
A.石油ストーブをしまう前の掃除は、電気ストーブよりも念入りな掃除が必要です。まずは、から焼きをした状態で、完全に石油を使い切ってください。火が自然に消えるまで運転を続けた後は、以下の手順で掃除します。
- 数時間放置した後、十分に冷えたことを確認する
- 燃焼中に赤くなる部分(芯)を取り出す
- 芯にたまったゴミを歯ブラシなどでかき出し除去する
- ストーブ側についているススなどをぞうきんで拭き取る
- 芯と網をもとに戻して完了
なるべく油分が残らないようキレイに掃除することが大切です。
Q.石油ストーブの灯油を次のシーズンまで残してはいけない理由は?
A.古くなった灯油を使ってしまうと、不具合や故障の原因になるからです。なるべく、シーズン中に灯油は使い切るように心がけましょう。使う分だけ灯油を購入し、買いすぎないようにすることも大切です。もし、長期間収納する際は、ストーブの中に灯油を残さないようにしましょう。残っている場合は、から炊きなどして使い切ってから収納します。
Q.抜き取った灯油の処分はどうすべきか?
A.購入したガソリンスタンドに持っていき、回収してもらいましょう。ほとんどのガソリンスタンドでは不要になった灯油の回収を行っています。ただし、量が多いと回収費用がかかることもあるので、事前にきちんと確認しておいてくださいね。
Q.反射板とは?
A.石油ストーブには反射板がついているタイプがあります。反射板は、ストーブから発せられる熱を効率よく使うために設置されているものです。実は、この反射板にも汚れがたまりやすくなるので、掃除の際に併せてキレイにしておきましょう。反射板が汚いままだと暖房能力が低下する原因にもなりますよ。
Q.薪ストーブの清掃を業者へ依頼する際の費用はいくらぐらいか?
A.ストーブの種類や大きさなどで異なりますが、平均費用は1万~3万円程度です。掃除だけだと安く済むケースがほとんどでしょう。しかし、メンテナンスで部品の交換が必要になると、さらに数万円かかる可能性があります。また、煙突内の状態によっては清掃に時間がかかり、追加料金が請求されるケースもあるので要注意です。見積書をきちんと確認してから依頼するようにしてくださいね。
まとめ
ストーブの掃除は、安全に使うために必要なことです。掃除をせず、ホコリや汚れがついたまま稼働させると、そこから火がつき火事になる恐れがあります。汚れに気づいたときは、ストーブの電源を切り、きちんと冷ましてから掃除しましょう。そして、正しい方法で掃除することも大切なポイントです。石油・ガス・電力・薪(まき)・液化石油ガスと、ストーブの種類によって汚れ箇所が異なります。それぞれ汚れがつきやすい箇所を確認し、手元に取扱説明書がある場合はしっかり読んでおきましょう。正しい方法で掃除すれば、次のシーズンも安心して使うことができます。