
事業系PCの処分方法は? 主なポイントや注意点を詳しく教えます!
「事業系PCの入れ替えに伴い、古いものの処分方法を知りたい」など、事業系PCの処分方法でお困りではないでしょうか。事業系PCは、一般のPCと違い、産業廃棄物扱いとなるため、処分ルールが異なります。しかし、どこに・どんな方法で依頼するといいのか、分からないことも多いでしょう。そこで、今回は、事業系PCの処分方法について詳しく解説します。
この記事を読むことで、事業系PCの処分方法についてよく分かり、適切に処分できるようになります。まずは、記事をじっくり読んでみてください。
1.事業系PC廃棄ルールとは?
最初に、事業系PC廃棄ルールについて解説します。
1-1.一般のPCとの違いは?
企業で使用するパソコンは、「事業系PC」と呼ばれ、一般のPCと区別されます。一般のPCには、年賀状ソフトや画像処理ソフトなど多くのソフトがあらかじめインストールされているものが多い一方、事業系PCはごく基本的なソフトだけです。事業用PCは、あくまでも仕事用に特化して作られており、本体の丈夫さやセキュリティー面を強化したものになっています。
1-2.事業系PCをリサイクルする必要性
事業系PCは、積極的にリサイクルする必要性があります。2001年4月1日に施行された「資源有効利用促進法」により、すべてのPCはメーカーによって適切にリサイクルする義務があるからです。事業系PCは一定期間ごとに大量に入れ替えを行うことが多く、貴重な資源を無駄にしないためにも、リサイクル意識を高める必要があります。
1-3.マニフェストを順守する必要性
事業系PCは、産業廃棄物扱いになります。したがって、一般PCと違い、廃棄物処理法の対象品目です。万が一、不法廃棄をしてしまうと法律違反となり、罰金が科されることもあります。企業の信用を守るためにも、資源リサイクルに対するポリシーを表明し、マニフェストを順守しましょう。
1-4.個人所有のPCは除外
企業で使用するPCであっても、個人所有のものは一般のPCの扱いとなります。一般のPCは、リサイクルマークがついているものは、メーカーに無料で回収してもらうことが可能です。事業系PCは、あくまでも企業の資産として扱われるものであり、一般のPCとは区別して管理・処分してください。
2.事業系PCを処分する前にはデータ消去を
事業系PCを処分する前には、データ消去をすることが必要です。
2-1.情報漏えい問題が急増している
今、事業系PCからの情報漏えい問題が急増しています。ハードディスク内のデータ消去をしないか、不十分な状態で処分したために、悪意ある第三者に読み取られ悪用されてしまうのです。情報漏えいは、企業にとって重大な信用損失になり、業績に悪影響をもたらす原因になります。事業系PC処分するときは、情報漏えいがないよう、十分に対策する必要があるのです。
2-2.データ消去の重要性
情報漏えいを防ぐためには、廃棄時に完全にデータ消去をすることが大切です。PCのデータは、単にゴミ箱に入れる作業だけでは消去できません。また、一般的な初期化だけでも、内部データが残ってしまい、読み取られてしまう可能性があります。データ流出を予防するためには、専用ソフトを使って読み取り不可にしたり物理的にハードディスクを破壊したりしてください。
2-3.データ流出を防ぐためのポイント
事業系PCを処分する前には、企業名・社員名などが記載されたステッカーが貼られたままになっていないかも確認してください。内部データを消去しても、企業名や社員名が記載されていることで、不安が残ってしまいます。処分する前には、どの企業で誰が使っていたか分からないように徹底してください。また、DVDディスクなどの記録メディアが入ったままになっていないかどうかも確認しましょう。
3.事業系PCの処分をメーカーに依頼する方法
事業系PCの処分は、メーカーに依頼することができます。具体的な方法などを見ていきましょう。
3-1.メーカーに事業系PCの処分を依頼するメリット
メーカーに事業系PCの処分を依頼すると、以下のようなメリットがあります。
- 安全・確実に処分できる
- 確実に資源リサイクルできる
3-2.メーカーに事業系PCの処分を依頼する方法や流れ
メーカーに事業系PCの処分を依頼する方法や流れは、以下をご覧ください。
- メーカーに事業用PCの処分を依頼する
- 処理委託契約書を交わす
- メーカーより輸送伝票が送られる
- 事業用パソコンを梱包(こんぽう)し、輸送伝票を貼る
- 希望回収日に輸送会社が回収しにくるので引き渡す
- メーカーで再資源化後、「資産滅却報告書(廃棄証明書)」が送られてくる
3-3.メーカーにおける事業系PCの処分費用
メーカーにおける事業系PCの処分費用は、1台につき3,000円~5,000円程度です。さらに、運搬費用や廃棄証明書作成費用、回収費用が数千円程度上乗せされます。1台ごとに費用がかかるため、まとめて依頼すれば安くなるということはありません。実際の総費用については、メーカーに確認してください。
3-4.PCリサイクルマークについて
事業用PCには、PCリサイクルマークがついていることがあります。PCリサイクルマークとは、すでにメーカーにおけるリサイクル費用を支払った証拠です。ただし、事業用PCに関しては、PCリサイクルマークがついていないため、廃棄時には費用を負担する必要があります。なお、PCリサイクルマークがついたPCであっても、企業所有で事業用PCとして使っている場合は産業廃棄物となり、廃棄費用が必要です。
3-5.自社製品だけ対応可能で処分に時間がかかる
メーカーでは、基本的に自社PCだけを処分しています。したがって、依頼メーカーと異なるメーカーのものは受け付けてくれません。また、処分を依頼してから完了まで1か月程度の時間がかかります。たとえば、決算前に事業用PCの処分を終えておきたい場合などは、早めに依頼する必要があるでしょう。
4.事業系PCの処分を専門業者に依頼する方法
事業系PCの処分は、専門業者に依頼することもできます。具体的な方法やポイントなどを解説しましょう。
4-1.業者に事業系PCの廃棄を依頼するメリット
業者に事業系PCの廃棄を依頼すると、以下のようなメリットがあります。
- 回収日時と場所を指定できる
- 集荷場所まで運ぶ必要がない
- データ消去を依頼できる
- 状態のいいPCは買取してくれることがある
4-2.業者に事業系PCの処分を依頼する方法や流れ
業者に事業系PCの処分依頼する方法や流れは、以下をご覧ください。
- 業者に連絡し、事業系PCの処分について相談する
- 業者から見積もりが届いたら内容を確認し、問題がなければ正式に依頼する
- 業者が指定日時に事業用PCを回収する
- 回収されたPCは業者の元で適切にリサイクルされる
4-3.業者における事業系PCの処分費用
業者に事業系PCの処分を依頼した場合の費用目安は、1台につき3,000~5,000円程度です。データ消去作業やデータ消去証明書の発行を依頼した場合は、1台につき1,000円~2,000円程度上乗せになります。出張回収を依頼した場合は、1回につき数千円程度の回収費用がかかるでしょう。なお、業者によって処分費用が異なるため、詳しくは見積もりを確認してください。
4-4.業者選びのポイント
事業系PCの処分は、以下のポイントを参考に選んだ業者に依頼しましょう。
- 事業用PCの処分で豊富な実績がある
- 見積もりは無料
- 処分費用がリーズナブルで分かりやすいシステム
- 状態によっては買取もしている
- 希望の日時・場所にて回収できる
- スタッフの対応が迅速・丁寧で感じがいい
- 顧客からの評判がいい
- 産業廃棄物収集運搬許可を取得している
4-5.悪質業者に注意する必要がある
事業系PCの処分は、悪質業者に依頼しないよう十分に注意しましょう。悪質業者は、企業から依頼された事業系PCをきちんと処分せず、私有地に違法廃棄することがあります。また、内部データを悪用する恐れもあるでしょう。万が一、企業の機密事項や顧客情報などが流出した場合、信用の問題になります。事業系PCの処分は、信頼第一で選んだ業者に依頼しましょう。
5.事業系PCの処分に関するよくある質問
最後に、事業系PCの処分に関するよくある質問に回答します。それぞれ参考にし役立ててください。
Q.まだ使える状態の事業系PCを買取してもらうには?
A.業者によっては買取可能です。まずは、業者に連絡して買取査定を受けましょう。ただし、使える状態であっても中古品として再販できるレベルであることが条件です。買取不可となった場合は、処分を依頼してください。
Q.DVDディスクを入れたまま処分を依頼してしまった場合は?
A.メーカーに処分を依頼した場合、基本的には返却してもらえません。処分前には、DVDディスクやそのほかの記録メディアが入ったままになっていないか、しっかり確認してください。
Q.事業系PCの付属品はどうする?
A.事業系PC本体と同時に処分依頼しましょう。付属品として添付した場合は、処分する際に追加費用が必要ありません。
Q.業者に処分を依頼した事業系PCはどうなる?
A.業者で回収後、分解されて素材ごとに資源リサイクルに回すことになります。信頼できる業者なら、きちんとリサイクルされるので安心してください。
Q.古物商許可を取得した業者に依頼してはダメ?
A.古物商許可の取得だけでは依頼できません。事業系PCは産業廃棄物になるため、業者が処分するためには産業廃棄物収集運搬許可が必要です。
まとめ
今回は、事業系PCの処分について詳しく解説しました。事業系PCは産業廃棄物になるため、メーカーもしくは産業廃棄物収集運搬許可を取得している業者に処分を依頼しましょう。なお、メーカー・業者いずれに依頼する場合でも、処分前には必ず内部データを消去してください。消去せずに処分した場合、思わぬところで情報流出につながり、企業の信用を失うことがあります。内部データの消去は処分と同時に有料で依頼することも可能です。