賃貸物件の退去・掃除方法とは? 知っておきたい掃除ポイント

賃貸物件は、あくまで家主・オーナーの所有物となります。借り主は、貸し主から借りている状態なので、退去時はきちんと掃除をして退去しなければなりません。しかし、退去時の清掃・クリーニングなどをめぐって、トラブルが起きているのが現状です。どこからどこまで掃除すればよいのか、その基準をあらかじめ理解しておけば、スムーズに退去できるでしょう。そこで、本記事では、賃貸物件の退去時に必要な掃除・クリーニングについて説明します。

  1. 賃貸物件の退去でよくあるトラブルとは?
  2. 賃貸物件の退去~掃除、クリーニングは誰がやるべき?
  3. 賃貸物件の退去~掃除方法
  4. 賃貸物件の退去・掃除に関してよくある質問

この記事を読むことで、賃貸物件の退去時の掃除方法が分かります。気になっている方は、ぜひチェックしてください。

1.賃貸物件の退去でよくあるトラブルとは?

まずは、退去前に知っておきたい基礎知識を身につけておきましょう。賃貸物件の退去方法や必要な手続き、費用、よくあるトラブルを紹介します。

1-1.どんなことか

賃貸物軒の退去とは、今住んでいる物件を解約することです。新しい家に引っ越そうと決めたときに、まず、「退去の通知」をしなければなりません。入居時に取り交わした契約書には、退去通知の時期と方法が記載されています。一般的に、退去通知は退去の1か月前までと決まっているため、すぐに退去することはできません。以下に、退去の通知から退去までの流れをピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。

  1. 退去の通知:管理会社またはオーナーに退去の旨を書類・電話などで伝える
  2. 引っ越し日の連絡:引っ越し日が決まったら不動産会社へ連絡する
  3. 引っ越し:水道・電気・ガスなどの手続きを済ませ、掃除をし部屋を入居時の状態にする
  4. 退去の立ち会い:管理会社と室内のキズ・汚れなどのチェックを行う
  5. カギの返却:カギの原本・コピーなどを返却する
  6. 敷金精算:敷金から契約書で定められている各種代金が差し引かれ、口座に振りこまれる

1-2.必要な手続き、費用について

先ほど説明したとおり、退去に必要な手続きは、解約の通知から始まります。解約の通知をした後に、退去届けを受け取り、内容を記載してください。そして、引っ越し1週間前からやるべき退去の手続きは以下のとおりです。

<引っ越し1週間前までにやるべきこと>

  • 電気・ガス・水道
  • 家賃振込口座

<引っ越し前日までにやるべきこと>

  • 転出届・転入届(住民票の移動)

退去の際にかかる費用は、敷金からハウスクリーニング費用を差し引いた金額になります。部屋の状態によって費用が変動するので注意してください。敷金よりもハウスクリーニング費用が安くなれば、残りの敷金が戻ってきます。しかし、ハウスクリーニング費用が上まわれば、足りない分を支払わなければなりません。

1-3.よくあるトラブル

借り主(住人)と貸し主(オーナー)の間でよくあるトラブルが原状回復です。たとえば、「家主から原状回復のためにクロスの張り替え費用として20万円請求された」など、さまざまなトラブルが起きています。原状回復は、入居時の状態に戻すことではなく、借り主の故意・過失・不注意など通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(きそん)を復旧することです。その際の修繕費用は、借り主の負担となります。
実は、どこからどこまで原状回復になるのか、具体的に決まっていません。境界線が曖昧(あいまい)になっているからこそ、借り主と貸し主の間でトラブルが起きています。法的強制力はありませんが、国土交通省のホームページに「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が記載されているので、ぜひチェックしてください。

2.賃貸物件の退去~掃除、クリーニングは誰がやるべき?

なぜ、退去時に掃除を行う必要があるのでしょうか。退去に必要な掃除・クリーニングの詳細について説明します。

2-1.必要性

退去後は、専門のハウスクリーニング業者が清掃を行うので、特別キレイにする必要はありません。しかし、燃えるゴミ・生ゴミ・粗大ゴミ・ペットボトルなどのゴミはきちんと処分して、ある程度キレイに掃除をしたほうがよいでしょう。今まで生活してきた部屋なので、感謝をこめて掃除をしてください。モラルとして、掃除は必要な作業といえます。
また、少しでもキレイにしておくと、管理会社・オーナーとのトラブルを未然に防止できるのです。部屋が汚い状態だと、ハウスクリーニング費用を取られる可能性があります。気持ちよく立ち会いを行うためにも掃除は必要です。

2-2.借主か、貸主の義務か?

一般的に、通常の使用で発生した汚れなどの自然消耗は、貸し主(オーナー、家主)が責任をもってキレイにします。逆に、通常の使用でない故意・過失などでできた汚れは、借り主(住民)の責任になるのです。それぞれの主な区別を、以下にピックアップしてみました。

<貸し主の義務になるもの>

  • 畳・フローリングの日焼け
  • 日差しによるクロスの色落ち
  • 家具を置いた場所にできた床のへこみ
  • テレビ・冷蔵庫の後部壁面の黒ずみなど

<借り主の義務になるもの>

  • ポスターなどでできたくぎ穴・ねじ穴
  • ペットによるキズ
  • たばこによるクロスのにおい
  • 落書きによる汚れ
  • 雨などの吹きこみによるフローリングの色落ちなど

2-3.費用、責任のガイドラインについて

それでは、賃貸物件の退去時にかかる費用と責任のガイドラインについて、もう少し詳しくチェックしておきましょう。

2-3-1.敷金の利用

敷金とは、家賃などの債務担保として預ける保証金のような役割を担っています。入居者の原状回復義務による修理負担や、何らかの理由で家賃を払えないときに補填するお金です。つまり、入居者の原状回復義務による修理がなければ、全額が戻ります。通常使用なら全額返還が原則となっているのです。

2-3-2.退去費用は支払うべきか?

通常の使用ではできない汚れがあり、敷金でまかなえない場合は、足りない分の金額を支払わなければなりません。けれども、「高額な退去費用に納得できない」「不当な請求だ」など、管理会社・オーナーと入居者の間でトラブルになるケースが増えています。トラブルを避けるためには、入居時にきちんと契約書を確認しておかなければなりません。また、原状回復のガイドラインを自分で確認し理解するのも大切なポイントです。

3.賃貸物件の退去~掃除方法

それでは、賃貸物件の退去で行う掃除方法を説明します。自分で無理な状態のときは、業者に依頼するのも方法の1つなので、ぜひ参考にしてくださいね。

3-1.自分でできること

念入りに掃除を行う必要はありませんが、部屋を見渡して「汚い」「退去費用がかかりそう」と思うところがあればキレイに掃除してください。特に、水垢(みずあか)などがたまりやすい水まわりは要チェックです。どの場所が汚れ、気になるのか、自分でチェックしメモをするとよいでしょう。また、参考として、場所ごとの掃除ポイントを以下にまとめてみました。

  • 部屋(リビング):掃(は)き掃除・掃除機をかける
  • キッチン:排水溝にたまっているゴミを取りのぞく・油汚れをキレイにする
  • 風呂場:排水溝にたまっている髪の毛などのゴミを取りのぞく
  • トイレ:便座についている汚れなどをキレイにする

自分で掃除をすることで、気持ちよく退去できるでしょう。また、どれも雑巾(ぞうきん)・掃除機・バケツなど自宅にあるもので掃除できるため、費用が節約できます。しかし、仕事で忙しい方や掃除する時間がない方は、思うように進まないかもしれません。さらに、不用品が大量にある場合は、処分するまで時間と手間もかかってしまうでしょう。

3-2.プロに頼むべきケース

不用品が大量にある・掃除する時間がない・頑固な汚れがあるという方は、プロの業者に依頼するのも選択肢の1つです。では、プロに依頼するメリット・デメリット・方法などについて説明しましょう。

3-2-1.メリット・デメリット

掃除業者に依頼するメリットは、手間と時間がかからないことです。「立ち会いまで時間がない!」という方でも業者に依頼すれば、キレイになるでしょう。また、キッチンだけというように、場所だけ依頼できる業者もあります。清掃だけでなく、不用品の処分も行ってくれる可能性もあるので一石二鳥です。
一方、デメリットは、費用がかかる点でしょう。サービスの内容によって金額が異なるため、事前に見積書を確認しておかなければなりません。

3-2-2.方法、流れについて

依頼する業者が決まれば、電話またはホームページのフォームから申し込みをします。申し込み後に訪問日時を決め、業者による部屋のチェックが行われるでしょう。その後に具体的な見積もりが提示されるので確認し、納得したら本契約を交わします。そして、作業日時に業者がやってきて清掃を行い、最後に依頼者が確認して完了です。具体的な方法と流れについては、業者のホームページなどで確認してください。

3-2-3.費用について

清掃・ハウスクリーニング業者の平均費用は数万円です。場所別に見てみると、床は6畳あたり8,000~15,000円、エアコンは12,000円前後、トイレは8,000~10,000円、浴室は15,000円前後、キッチンは20,000円前後になるでしょう。部屋の広さ・不用品の量・汚れ具合などによっても異なるため、無料見積もりを依頼してください。

3-3.業者選びのポイント

どの業者に依頼すべきか悩んだときは、以下のポイントに注目して選ぶとよいでしょう。

  • スタッフの対応が丁寧でスピーディー
  • 清掃の実績がある
  • サービス内容が充実している
  • 低費用かつ高品質のサービスが受けられる
  • 口コミ・評判がよい

4.賃貸物件の退去・掃除に関してよくある質問

賃貸物件の退去・掃除に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.退去費用を抑えるコツが知りたい!
A.退去通知のタイミングによっては、費用がかさむ可能性があります。たとえば、退去通知が早すぎたり、新居契約から入居まで時間がかかったりすると、旧居・新居の両方の家賃を支払わなければならない状況に陥りがちです。二重家賃を防ぐためには、契約書を確認し退去通知の時期を把握することがポイントになるでしょう。

Q.立ち会いで納得できないときの対処法は?
A.立ち会い後に、原状回復にかかる費用を請求されることになりますが、納得できない場合は書類にサインしてはいけません。サインをしてしまうと、後で要望を伝えても支払わざるを得なくなります。「なぜその金額になるのか」「どこにどんなクリーニングを行うのか」など、詳細を確認してください。

Q.退去前の掃除をスムーズに行うポイントは?
A.退去時の掃除を行う際に、なかなか取りのぞけない頑固な汚れも出てくると思います。そんなときは、洗剤を汚れの部分にかけておき、30分~1時間ほど放置してから掃除してみてください。頑固な汚れは洗剤につけて放置したほうが、汚れが浮き、掃除しやすくなる可能性があります。できれば、頑固な汚れになる前に、日ごろから掃除を心がけておきたいですね。

Q.貸主・管理会社とトラブルにならないためのポイントは?
A.専門業者によるハウスクリーニング代は家主負担が原則ですが、賃貸契約書の中には入居者負担と定めているところもあります。そのため、入居時には契約書の内容を細部まで確認することが大切なポイントです。また、入居時からあるキズ・汚れなどは、あらかじめ写真撮影をして不動産業者と共有しておきましょう。そのほうが、退去時のトラブルを防ぐことができます。

Q.注意すべき業者の特徴とは?
A.見積書の内容が雑・スタッフの対応が悪い・口コミや評判が悪い業者は注意してください。特に、見積書の内容は要チェックです。どのクリーニングにいくらかかるのか、細かく記載しているのなら安心して依頼できるでしょう。費用だけでなく、さまざまな点に注目して信用できる業者を選んでくださいね。

まとめ

いかがでしたか? 賃貸物件の退去掃除は、徹底的にキレイにする必要はありませんが、きちんと掃除したほうがトラブルを防ぐことができます。通常の使用でできた汚れなどは貸し主の負担になるため、借り主が支払う必要はありません。しかし、故意・過失などでできたキズ・汚れは、入居時に支払った敷金から差し引くことになります。どちらの負担になるのか、境界線が曖昧なのでトラブルが多発しているのが現状です。退去時のトラブルを未然に防ぐためには、日ごろから掃除を心がけ、契約書の内容を確認しましょう。退去の掃除方法や必要なポイントを押さえておけば、スムーズに退去できます。