
シグナルジェネレータの導入・処分方法やポイントをご紹介!
シグナルジェネレータとは、標準信号発生器のことです。主に、無線機・受信機の試験用信号源として使用されます。スペクトラムアナライザと並んで、無線関係の仕事をする場合の基本測定器です。シグナルジェネレータは、目的によって使うべき種類が異なります。また、要らなくなったシグナルジェネレータを処分する際は、正しい方法を知ることが大切です。そこで、本記事では、シグナルジェネレータの導入・処分に必要な知識を解説します。
この記事を読むことで、シグナルジェネレータの導入・処分に必要な知識を身につけることができます。検討している方は、ぜひ参考にしてください。
1.シグナルジェネレータの基礎知識
まずは、シグナルジェネレータの基本情報をチェックしていきましょう。
1-1.シグナルジェネレータとは
シグナルジェネレータとは、周波数・電力・変調の電気信号を出力する電気計測器です。別名、標準信号発生器、シグナル・ジェネレータ、テストオシレータとも呼ばれています。主に、無線機・受信機の試験用信号源として使用されることが多く、無線関係の仕事に必要不可欠な基本測定器です。しかし、シグナルジェネレータだけで電気的事象を直接測定できるわけではありません。周波数・電力・電圧・波形などを測定するために、別途、計測器と組み合わせて使用します。
1-2.構造・原理
シグナルジェネレータの構造・原理はとてもシンプルです。標準的なものは、周波数・電力・変調の情報を表示する部分(表示器)と各種調整ボタン・ダイヤル、出力端子から構成されています。約50年前から存在するアナログ方式は、原理的に三角波と方形波が同時に発生する仕組みです。基本的に、現在のシグナルジェネレータも、多くの波形=関数を発生する関数発生器の役割を担っています。最近では、パソコン並みの解像度表示器や、多数の入出力端子を備えるものが主流です。
1-3.目的・用途
では、シグナルジェネレータは何ができるのか、どこでどんな場合に使うのか詳しく説明します。
1-3-1.何ができるか
一般的なシグナルジェネレータは、特定の信号を出力することができます。指定できる周波数・電力・変調は以下のとおりです。種類によっては、カラーパターンを出力できるタイプもあります。
- 周波数:100kH程度から指定可能
- 電力:-130~+10dBm程度が一般的
- 変調:AM・FM・φMが選択できる
1-3-2.どこで、どんな場合に使うか
主に、無線機・受信機の精度を確かめるために使用します。シグナルジェネレータは、無線機・送信機の送信信号用としても使われる測定器です。公的および民間の技術研究所や企業の実験室、学校の授業でも使用することがあります。
1-3-3.主な使い方
シグナルジェネレータの使い方は、目的・用途によって異なります。基本は、ほかの測定器と組み合わせで使うことになるのです。シグナルジェネレータで特定の信号を出し、ほかの測定器で測定・記録する方法となります。生成する信号の設定は、本体の周波数・電力・変調の各ボタンで調整する仕組みです。具体的な使い方に関しては、取扱説明書を確認してください。
1-4.必要性・メリット
シグナルジェネレータは、各種受信機の精度をテストするために必要不可欠な測定器です。また、無線機・送信機の送信信号、受信機のローカル信号の発信もできます。
2.シグナルジェネレータについて
ここでは、シグナルジェネレータの種類や主なメーカーなどについて説明します。導入・処分前に、ぜひチェックしてください。
2-1.種類
シグナルジェネレータの主な種類は6種類あります。それぞれ生成する信号が異なるため、目的に合う種類を選ばなければなりません。以下に、6種類とそれぞれの特徴をピックアップしてみました。
- ファンクションジェネレータ:交流電圧信号の生成
- カラーパターンジェネレータ:カラーバー・ラスターパターンの信号の生成
- 低周波発振器:低周波信号の生成
- RF信号発生器:高周波信号の生成
- データタイミングジェネレータ:一定の周期で信号を生成
- パルスパターンジェネレータ:パルスパターン信号の生成
2-2.主なメーカーと特徴
シグナルジェネレータの主なメーカーは、以下のとおりです。
- アジレント・テクノロジー(米国)
- アンリツ
- ローデ・シュワルツ(ドイツ)
- キーサイト・テクノロジー
- 日本電波工業
- 日本ナショナルインスツルメンツ
- テクシオ・テクノロジー
メーカーによって、シグナルジェネレータの種類・特徴が異なります。導入を検討している方は、複数の種類を比較して用途に適したタイプを選んでください。
2-3.価格について
シグナルジェネレータの価格は、種類・性能・メーカーなどで異なります。およそ100万円台~1,000万円台のものまで幅広いので、使用目的を明確にした上で予算内になるのか検討しましょう。できるだけ安く購入したいという方は、型落ち品を検討してください。たとえ、型落ち品であっても、目的に見合っている性能なら問題ありません。
2-4.最近の傾向
最近は、中古のシグナルジェネレータの需要が高まりつつあります。最低でも約100万円はする高額機器なので、費用を抑えたい方が中古を選ぶ傾向にあるのです。中古品=不具合が起きやすいと思いがちですが、中には新品同様のシグナルジェネレータもあります。また、本格的な導入前のテスト購入としても最適でしょう。中古品は新品よりも導入しやすいことが大きなメリットです。
2-5.注意点
シグナルジェネレータを導入する際は、「目的」を明確にしておかなければなりません。何のために導入するのか、改めて考えてみてください。たとえば、電波を測定したいのにカラーパターンを出力するタイプを導入しても意味がありません。信号の種類を間違えると、実験やテストができなくなるので注意が必要です。目的に合った信号を生成する種類を導入しましょう。
3.シグナルジェネレータの買い取りについて
要らなくなったシグナルジェネレータをそのまま処分しようと思っていませんか? 正常に稼働できるものであれば、買い取りも利用できます。ここでは、買い取り事情について詳しく説明しましょう。
3-1.買い取り事情
先述したとおり、中古測定器の需要は高まりつつあります。高額商品だからこそ、できるだけ安価でいい測定器を手に入れたいという方が増えているのです。まだ十分に使用できるものなら買い取りの対象となります。買い取り額は、販売年月日・状態・性能・メーカーなどで異なりますが、状態がよく人気のあるモデルほど高く売れるでしょう。具体的な買い取り額に関しては、業者に査定を依頼してください。ただし、古すぎるモデル・故障しているものは買い取り対象にならない可能性があります。
3-2.買い取りしてくれるところ、選び方
おすすめは測定器専門店です。測定器の中古を扱っている店舗は、より詳しい知識を持っているので適正価格で買取をしてくれるでしょう。また、購入に関しても、目的に会った種類を提示してくれるので安心です。業者選びに悩むときは、以下のポイントに注目してください。
- スタッフの対応が丁寧でスピーディー
- 測定器の知識が豊富
- 幅広い中古測定器を扱っている
- きちんと細かいところまで査定をしてくれる
- アフターフォローが充実している
3-3.買い取りの方法、流れ
一般的な買い取り方法は出張買取です。シグナルジェネレータは重く繊細な機器なので、運搬時に誤って壊してしまうこともあります。専門の業者がきてくれれば、安心して任せられるでしょう。主な買い取りの流れを、以下にピックアップしたので参考にしてください。
- ホームページのフォームまたは電話で申し込みをする
- 査定日時の予約を決める
- 当日に業者がやってきて、その場で査定を行う
- 買い取り額に納得すれば契約しお金をもらい完了
3-4.査定について
具体的な査定ポイントは業者によって異なりますが、測定器の状態を入念にチェックします。正常に稼働できるか、不具合はないか細部まで確認するのです。後は、目立つ傷や汚れと付属品の有無、メーカー・モデル(型番)・販売年月日などを参考に買い取り額を出します。シグナルジェネレータは高価な機器でもあるため、正常に動作でき人気のあるメーカーなら高く売れる可能性もあるのです。
3-5.高額査定のポイント
できるだけ、高く買取ってもらうために、キレイな状態にしておきましょう。汚れやホコリなどがついている場合は、やわらかいタオルでキレイに掃除してください。また、取扱説明書や部品・ケースなど、導入時についてきたものもセットにするとよいでしょう。付属品の有無で買い取り額が変わる可能性もあります。
3-6.注意点
販売・買取業者の中には、不正を働く悪徳業者も存在しています。「回収後、不法投棄されていた」「適正価格よりも安価で買取られた」など、業者との間でトラブルも続出しているのです。トラブルを未然に回避するためには、複数の業者を比較して、悪徳業者と優良業者を見極めることが大切になります。
4.シグナルジェネレータに関してよくある質問
シグナルジェネレータに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.シグナルジェネレータを使用する際の注意点とは?
A.使用前に、取扱説明書に記載されている注意点をきちんと確認してください。また、精密機器なので高温多湿な場所で使用すると精度が狂います。不安定な場所に置いて作業するのも、破損・故障の原因となるので注意してください。きちんと正しい場所で使えば、よい状態で買い取りに出すことができます。
Q.商品選びのポイントとは?
A.使用目的を明確にした上で、複数の種類を比較してみましょう。目的に合った性能があり信号が生成できるか、予算内に抑えられるかどうか確認してください。どうしても悩む場合は、豊富な知識を持つ業者に相談するとよいでしょう。知識を得ている業者なら、要望を取り入れつつも適切な種類をピックアップしてくれます。
Q.レンタルはできるのか?
A.レンタルを行っているメーカーや業者もあります。短期間だけの使用であれば、レンタルの利用も検討するとよいでしょう。導入よりも安く気軽に利用できます。ただし、使用期間が長くなるほど、料金もかさむので注意が必要です。どのくらいの期間レンタルをするのか、追加料金が発生するケースとはどんなときなのか、確認してくださいね。
Q.シグナルジェネレータでよくある故障とは?
A.設定した数値の波長が出ない・拡張性ボタンが使えない・電源が入らない・波長の出方が不安定になることです。精密機器は、きちんとメンテナンスをしていなければ、これらの不具合が出てきてしまいます。定期的に機能チェックをして、日ごろからメンテナンスを心がけましょう。
Q.中古品を購入する際のポイントが知りたい
A.中古のシグナルジェネレータを購入する場合は、機能に問題がないかどうか確認してください。また、製造年月日・メーカー・使用歴・どんなことができるかなども要チェックです。
まとめ
いかがでしたか? シグナルジェネレータは、無線機・受信機・送信機を使用する際に必要不可欠な測定器です。本体で特定の信号を出し、ほかの測定器で測定・記録します。シグナルジェネレータにもさまざまな種類があるため、導入の際は目的を明確にしておかなければなりません。また、中古需要がある機器なので、処分する際は「買取」も検討するとよいでしょう。測定器の知識が豊富な業者に、査定を依頼してくださいね。