そろそろ寿命? IHクッキングヒーターを処分するときの心得とは?

住宅のオール電化とともに普及したIHクッキングヒーターは、比較的新しい家電です。買い替え時期や寿命については、まだあまり知られていません。どんなタイミングでどうやって買い替えたらいいのか、ここではそんな疑問にお答えしていきます。

  1. IHクッキングヒーターを処分したい! その方法とは?
  2. IHクッキングヒーターの処分、自分でする場合
  3. IHクッキングヒーターの処分、不用品回収業者に依頼する場合
  4. IHクッキングヒーターの処分、リセールについて
  5. よくある質問

買い替えにベストなタイミングや買取のコツなどを知り、ハッピーなキッチンライフを送ってください。

1.IHクッキングヒーターを処分したい、その方法とは?

IHクッキングヒーターはキッチン家電のひとつです。適切に処分するために、まずはIHクッキングヒーターについて正しく知りましょう。

1-1.IHクッキングヒーターとは

IHクッキングヒーターは、火を使うことなく加熱調理ができるキッチン家電です。IHというのはinduction heatingの頭文字で、電磁誘導加熱を意味しています。そのしくみは、磁力線の働きによってうず電流を発生させることで、金属の鍋底自体を発熱させるのです。すると鍋の中身が加熱されます。

1-2.種類

1-2-1.卓上型

ガス式カセットコンロのように卓上で使用できるタイプです。近くにコンセントがあれば、食卓の上で気軽に使用でき、価格も手ごろなことから人気があります。

1-2-2.据え置き型

ガスコンロと同等の場所に据え置いて使うタイプのIHクッキングヒーターです。ガスコンロを買い換えるときのように、簡単に設置することができます。賃貸住宅などを中心に普及しました。

1-2-3.ビルトイン型

システムキッチンに対応しているタイプです。オール電化住宅の新築時やキッチンのリフォームなどのタイミングで導入するケースが多くみられます。

1-3.寿命について

IHクッキングヒーターは耐用年数を10年程度としているメーカーが多いようです。ていねいに手入れをして使えば数年程度寿命を延ばすことができるかもしれませんが、交換部品の保持期間が廃盤から8年程度であることから、やはり10年前後が取り換えの目安といえるでしょう。お湯が沸きにくい、電源が入りにくいなどの症状が出始めたら、そろそろ買い替えのサインです。

1-4.IHクッキングヒーターは何ゴミか

卓上タイプは、小型家電リサイクル品として回収してもらえる可能性があります。据え置きタイプは不燃ごみ・粗大ゴミとして処分するのが一般的です。ビルトインタイプの場合は自分で処理することが難しいので、業者に依頼しましょう。

1-5.取り外しについて

据え置きタイプの場合は、流し台の上に置いてあるだけなので自分で取り外すのも容易です。専用の枠にはめ込まれているタイプは枠から外します。必ず電源を切ってコンセントを外してから作業しましょう。ビルトインタイプの場合は、システムキッチンに組み込まれているので、業者に依頼した方が無難です。キッチン本体に傷がついたりすると、新しいものが取り付けられなくなるリスクもあります。素人が手を出すのは、やめておきましょう。

1-6.どんな処分方法があるか

  • 自治体の不燃ごみや粗大ごみの回収に出す:自分で対応できる場合に
  • 販売店に引き取ってもらう:新しいものを購入するときに回収してもらう
  • リサイクルに出す:まだ新しいが引っ越しなどで規格が合わなくなった場合などに有効
  • 回収業者に回収してもらう:他にも不用品がある場合はおすすめ

1-7.注意点、問題点

自治体の回収に出す場合は、各市町村によって回収できる品目やルールが違うので、よく確認してから処分しましょう。

2.IHクッキングヒーターの処分、自分でする場合

IHクッキングヒーターを処分するとき、自分で対応できる場合やなるべくお金をかけたくない場合の方法をお伝えします。

2-1.自治体回収の場合

卓上タイプで小型のものは、小型家電回収ボックスに入るサイズならば小型家電リサイクル品として回収に出すことができます。自治体によって回収可能な品目が異なるので、あらかじめ確認しましょう。据え置きタイプは粗大ゴミ・不燃ゴミとして処分が可能ですが、各自治体のルールに合わせて処分します。

2-1-1.できるものできないもの

自治体の回収には業務用のものは出せません。事業用の厨房で使っていたIHクッキングヒーターは産業廃棄物の回収業者に引き取ってもらいましょう。

2-1-2.メリットデメリット

自治体回収のメリットは、処分費用を低く抑えられることです。しかし、ルールを確認して回収の手配をする手間や、自分で回収場所まで運搬する作業が発生します。自治体の回収は予約制です。引っ越しシーズンなどは2~3週間待たされることがあります。

2-1-3.方法

処理の方法も自治体によって異なります。不燃ゴミとして処分する場合は、指定のゴミ袋があれば利用するといいでしょう。所定の曜日に決められた回収場所に出します。粗大ゴミはあらかじめ自治体に連絡して、粗大ゴミ回収を申し込むのです。このとき処分費用と支払い方法が告げられ、回収日と場所の指定があります。忘れずに決められた日に出しましょう。

2-2.メーカーや販売店の回収、下取りについて

新しいIHクッキングヒーターを買う場合は、販売店が古いものを無料または格安で回収してくれる場合があります。回収する機種がまだ新しい場合は下取りも可能です。販売店でキャンペーンなどがないかチェックしてみましょう。

2-3.注意点

引っ越しなどタイムリミットが決まっている場合は、自治体回収やネットオークションなど時間がかかる方法は注意が必要です。販売店による下取りは、年式によっては値がつかないこともあります。

3.IHクッキングヒーターの処分、不用品回収業者に依頼する場合

自分で処分するのが難しい場合や急いでいる場合には、プロに依頼する方法があります。

3-1.不用品回収業者のメリットとデメリット

IHクッキングヒーターの処分には不用品回収業者を使うこともできます。そのメリットは、自分の都合のいい日に回収を依頼できることです。また、運搬の手間もなく、IHクッキングヒーター以外のものも同時に回収してもらうこともできます。デメリットは、回収費用がかかることと、違法な業者もいるので見極めが大切なことです。

3-2.買取できる場合

まだ新しい品や中古市場で人気の品などは、買取の対象になります。この場合、回収費用と相殺されるのでお得です。

3-3.回収方法

通常は、出張回収、宅配回収、店頭での回収に対応しています。自分に合った方法で依頼しましょう。

3-4.手数料など

不用品回収には処分費用がかかります。あらかじめ見積もりをとって、不明瞭な名目の料金がないか確かめましょう。

3-5.業者の選び方

はじめて不用品回業者に依頼する場合、どこを選んだらよいか迷うものです。自宅がその回収業者の対応エリアであることを確認したら、以下の点に注意して選びましょう。

  • 廃棄物処分、買取に必要な認可を受けている業者か
  • ホームページに会社の名称、所在地、電話番号、メールアドレスなどが明確に表示されているか
  • 見積もりや出張は無料で行っているか
  • スピーディーに対応できるか
  • 回収してほしい品目は取扱品目に入っているか

3-6.違法業者など注意点

リサイクルが盛んになったことに目をつけ、違法な回収業者が増えてきて問題となっています。軽トラックで回収にまわってきたり、空き地で不用品回収を行ったりしているのを見かけることはありませんか? これらはほとんど行政の許可を受けずに、個人で営業しています。高額な回収費用を請求したり、回収品を不法投棄したりというトラブルが報告されているので気をつけましょう。

便利だからと安易に利用せず、必ず会社情報を確かめてください。

4.IHクッキングヒーターの処分、リセールについて

処分したいIHクッキングヒーターに機能的な不具合がない場合は、中古品として再販売できないか考えてみましょう。

4-1.リセールは可能か

まだ年式の新しいIHクッキングヒーターを手放すことになったら、リセールを考えるのも手です。リセールとはリサイクルショップなどに買い取ってもらい、中古品として再販売することを指します。購入してから2~3年の高年式のものは、高く買い取ってもらえる可能性があるでしょう。

4-2.買い取りできるものとは

不具合がなく、年式の新しいものが買取の対象になります。壊れている場合、年式が古い場合は買い取ってもらうことはできません。メーカーは国内ブランドのパナソニックやアイリスオーヤマ、海外製ではティファールが人気です。タイプとしては、ビルトインタイプや3口のものは需要があります。

4-3.高額査定のポイント

日頃のお手入れをこまめにするのが一番です。調理するたびにトッププレートを掃除することをおすすめします。きれいな状態で引き渡しできるように心がけましょう。あとはグリルの汚れやにおいを取り、取扱説明書や外箱があれば用意しておきます。

また、状態を正しく申告するのは中古品販売のマナーです。不具合がある場合はあらかじめ伝えておきましょう。

4-4.リサイクルショップ

近くに家電品を扱うリサイクルショップがあれば、IHクッキングヒーターの買取が可能か問い合わせてみましょう。電話でメーカーや年式・型番、状態を伝えると、買取可能かどうか判断がつきやすくなります。買取までの流れは、問い合わせ後に現物を見てもらい、詳しい見積もりをしてもらうことが大切です。査定額に納得できたら契約となります。自分で取り外せない場合、出張買取を利用するといいでしょう。

査定額は、PanasonicやMITSUBISHIなど国産メーカー場合、ビルトイン型で3口タイプだと、だいたい10,000円~20,000円程度が相場のようです。

4-4-1.メリットデメリット

リサイクルショップのメリットは、気軽に利用できるところです。買取してもらうには、新しい年式のものでないと高く買い取ってもらうことはできません。不用品として処分をすると処分料の支払いが発生することを考えれば、たとえ数千円でもお得といえます。

4-5.ネットオークションでリセール

これは、自分でネットオークションに出品して、必要としている人に買ってもらう方法です。リサイクルショップほど高年式にこだわらず、状態が良ければ買い手がつく可能性があります。

4-5-1.メリットデメリット

インターネットにつながる環境とデジカメやスマホなどがあれば、誰でもオークションに出品することができます。ただし、出品作業、写真の撮影、アップロード、配送などすべて自分でやらなければなりません。また、売れる保証もなく、代金の支払い、品物の受け渡し、送料などをめぐってトラブルになることもあるので注意が必要です。  

5.よくある質問

Q.IHクッキングヒーターを買い換える目安は?
A.10年以上使っている、お湯が沸きにくくなった、最近たびたび不具合がおきる、電源が入りにくいなど、いずれかに該当したら買い替えを検討する時期です。

Q.IHクッキングヒーターの天板ガラスが割れてしまいました。このまま使っても大丈夫でしょうか?
A.そのまま使い続けて内部に煮こぼれが侵入すると、故障の原因や火災や感電の危険もあります。早めに修理を依頼するか買い替えを検討した方がいいでしょう。

Q.IHクッキングヒーターを買い替える場合、違うメーカーでも取り付け可能ですか?
A.国内メーカーであればJIS規格で統一されているので、異なるメーカーでも取り付けることができます。外国製品の場合は規格が違うことがあるため事前に確認が必要です。

Q.自分でIHクッキングヒーターを取り外しても大丈夫でしょうか?
A.IHクッキングヒーターは高電圧部品を備えているので、取り扱いに注意が必要です。自分での取り外しは据え置きタイプでしたら比較的問題ありませんが、ビルトインタイプのものはおすすめしません。専門の業者に任せましょう。

Q.10年以上使っているIHクッキングヒーターは取り換えた方がいいでしょうか?
A.一般的にIHクッキングヒーターの寿命は10年程度だといわれています。壊れてしまってから買い替えると、急ぐあまり十分に検討できないので、今のうちに買い替えを検討してもいいでしょう。

まとめ

食に関わるキッチンの道具は、買い替えも待ったなし。その処分は迅速に行いたいものです。いざというときに備えて、IHクッキングヒーターの寿命や替え時を知り、プロの手をうまく借りて賢く処分しましょう。今回ご紹介したいろいろな処分方法のメリットデメリットを考え、自分に合った方法をみつけてください。