
パソコンを処分する前に! レアメタルの存在とリサイクルの重要性
パソコンを処分する前に、レアメタルについて知っておきましょう。レアメタルとは、パソコンに含まれる金属のことです。非常に希少性が高いことから、パソコンを処分する前に取り出して再利用することが望ましいといわれています。しかし、実際にはレアメタルの存在を知らず、そのままパソコンを処分してしまう人がほとんどでしょう。ぜひこの機会にレアメタルについて知り、パソコンのリサイクルについて検討してみてください。この記事では、レアメタルの重要性やパソコンの処分方法についてご紹介しています。
この記事を読むことで、パソコンをどう処分すべきなのか分かるはずです。ぜひ参考にして実践してみてください。
1.レアメタルについて
まずは、レアメタルについて解説します。
1-1.レアメタルとは?
レアメタルとは、非鉄金属の中でも特に希少な金属のことです。具体的には、リチウムやクロム・マンガン・ゲルマニウム・バナジウム・白金などが該当します。地殻中の存在量が少ないこと、採掘のコストが高いこと、そして、単体として取り出すことが技術的に困難であることなどが、レアメタルが希少といわれる理由です。産出地であるアフリカ諸国や南北アメリカ諸国などの国の政策・経済情勢などを考えると、将来さらに入手困難になることが予想されています。
1-2.用途
レアメタルは、多くの製造業で不可欠な素材です。具体的には、以下のような用途があります。
- 鉄や銅・アルミニウムなどのベースメタルに添加して合金を作る
- 半導体レーザーや発光ダイオード・燃料電池などの電子材料・磁性材料として利用される
- 光学ガラス・磁気ヘッドなどの機能性材料として利用される
1-3.最近の傾向
レアメタルはベースメタルの副産物として産出されることが多く、安定的に供給を確保することが難しいのが現状です。しかし、日本は世界でも有数の「金属鉱物資源消費国」といわれています。そして、その大部分を海外からの輸入に頼っているのです。その国の政策や政情に左右されるリスクを減らすためにも、代替品の開発やリサイクルの研究など、国内的な取り組みも進められています。
2.パソコンのレアメタルについて
パソコンに含まれるレアメタルについてまとめました。
2-1.パソコンに含まれるレアメタル
パソコンには、ネオジムやジスプロシウム・タンタルなどのレアメタルが含まれています。レアメタルを細かく粉砕して溶かすなどして、主にハードディスクやモーター・フレームなどに含まれているのです。レアメタルの含有量は、パソコンディスプレーのサイズやバッテリーの大きさによっても異なります。
2-2.リサイクルの重要性
パソコンをリサイクルする目的は、ゴミの減量化はもちろんのこと、レアメタルを含む有用資源を再利用することにあります。レアメタルは特に希少な金属であり、天然のものを採掘するのが難しいといわれている存在です。だからこそ、不要になったパソコンから取り出してリサイクルしていかなければなりません。
2-3.リサイクルの現状と取り組みについて
2003年10月に「PCリサイクル法」が施行され、パソコンを通常のゴミとして廃棄することができなくなりました。レアメタルをはじめとした貴重な資源を有効活用するため、パソコンメーカーによる回収を義務づけたのです。この取り組みによってパソコンのリサイクルがより進められたことはいうまでもありません。現在は、販売店や不用品回収業者によるパソコン回収を利用する人も増えてきているのです。
3.パソコンのリサイクル、回収方法について
パソコンの回収方法や費用についてまとめました。
3-1.どこでできるのか?
パソコンの回収を依頼できるのは、以下のようなところです。
3-1-1.自治体
前述したとおり、パソコンは自治体が回収する不燃ゴミや粗大ゴミとして捨てることはできません。しかし、自治体によってはパソコンを「小型家電」として扱い、回収ボックスを設置して回収しているところもあるのです。回収ボックスは大型スーパーや家電量販店・公共施設などに設置されていることが多いため、各自治体のホームページで確認してみてください。
3-1-2.販売店
販売店によっては、新しいパソコンの購入を条件に、古いパソコンの引き取りを行っているところもあります。下取りという形で新規購入代から割引してもらえる場合もあるため、確認してみましょう。
3-1-3.メーカー
メーカー回収を利用する場合は、パソコンにPCリサイクルマークが付いているか確認してみてください。このマークがあるパソコンは購入時にリサイクル費用を支払っていることになるため、無料で回収してもらえます。
3-1-4.回収業者
家庭から生じた不用品の回収を行っている業者を利用する方法もあります。パソコンをはじめ、さまざまな不用品の回収をまとめて依頼できるため、大変便利です。回収と同時に買い取りを行っている業者も多く、パソコンの状態によっては高価買い取りの可能性もあるでしょう。
3-2.回収方法
回収業者を利用した場合、回収方法は主に「店頭持ち込み」「宅配回収」「出張回収」の3つです。特に、出張回収は自宅にいながら希望の日時にパソコンを回収に来てもらえるため、利用すると便利でしょう。回収を希望する不用品のサイズや量、自分のライフスタイルを考えた上で、ベストな回収方法を選択してください。
3-3.費用
回収にかかる費用は、業者によって異なります。同じ条件でも大きな差が付く場合もあるため、できれば事前に複数の業者に無料見積もりを依頼してみてください。そして、比較してから決めるようにしましょう。そうすることで、大まかな相場を知ることができます。
4.パソコンの無料回収について
パソコンの無料回収を行っている業者についてまとめました。
4-1.無料回収について
通常、パソコンの回収を業者に依頼する場合、費用がかかるというイメージが強いと思います。しかし、中には無料で回収を行っている業者もあるのです。故障していて動作しないパソコン、古くて買い取り価格が付かないパソコンなども、無料回収の対象になる場合がありますのでぜひチェックしてみてください。
4-2.無料で回収できる理由
「なぜ無料で処分できるのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。パソコンを無料で回収できる理由は、再利用が可能なためです。こういった業者は、回収したパソコンをリユース品として再活用したり、レアメタルをはじめとする素材を取り出し、再利用したりすることで利益を得ています。そのため、無料回収を実現できるのです。
4-3.無料で回収している業者について
無料回収を行っている業者はたくさんあります。しかし、そのすべてが信頼できる業者というわけではありません。中には、無料回収を宣伝しておいて、実際には高額な料金が発生するシステムになっているような悪徳業者も存在しているのです。なぜ無料回収が可能なのか、しっかりと説明できる業者を選ぶようにしてください。
4-4.メリットとデメリット
無料回収のメリットは、当然「お金をかけずに処分できる」という点です。処分方法によってはお金をかける必要があるため、無料かつ手軽に処分できるのは助かりますよね。ただし、無料回収業者は選び方によって注意が必要な場合もあるため、その点がデメリットと言えるのではないでしょうか。
5.パソコンの処分に関するよくある質問
「パソコンの処分について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
5-1.PCリサイクル法の対象になるのはどのようなものですか?
A.デスクトップパソコン・ノートパソコン・液晶ディスプレー・CRTディスプレー・液晶と本体の一体型パソコンなどです。プリンターやキーボード・マウスなどの周辺機器は対象になりません。
5-2.高価買い取りの対象になるパソコンメーカーにはどのようなものがありますか?
A.富士通や東芝・パナソニック・ソニー・NECなどです。中古市場でも人気が高いため、高価買い取りの可能性は十分にあります。
5-3.ノートパソコンの寿命は何年くらいですか?
A.使い方や利用環境にもよりますが、5年程度と言われています。年月とともに、ハードディスクやバッテリー・ファンなどのパーツに不具合が起こりやすくなるのです。
5-4.高価買い取りのポイントは何ですか?
A.拭き取り掃除をしてできるだけきれいな状態にしておくこと、箱や付属品をそろえておくことが重要なポイントになります。購入時の状態に近づけることが、高価買い取りの可能性を高くするのです。
5-5.データを消去せずにパソコンを捨てるとどうなりますか?
A.パソコンに入っている個人情報など、大切なデータが第三者によって悪用されてしまう可能性があります。
まとめ
いかがでしたか? パソコンに含まれるレアメタルの重要性や処分方法についてまとめました。たとえ壊れてしまったパソコンでも、レアメタルを取り出して再利用することが可能です。地球環境のためにも、使わなくなったパソコンをリサイクルする方法を考えるべきでしょう。ぜひこの記事を参考にして、リサイクルの大切さやその方法を知ってください。