
バッテリーテスターについて知りたい! 種類や購入方法などをご紹介
車やバイクについているバッテリーは、寿命があります。「後どのくらい使えるのか」など、バッテリーの寿命が気になる方も多いでしょう。そんなときに大活躍するのが、バッテリーテスターです。バッテリーテスターは、バッテリーの劣化状態を知ることができます。きちんと正しく使うためにも、バッテリーテスターの基礎知識を把握しておかなければなりません。
そこで本記事では、バッテリーテスターのメカニズムや種類・主な使い方・特徴・導入・処分方法などについて説明します。
この記事を読むことで、バッテリーテスターについて知ることができます。正しく使いたい方や購入・処分を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
1.バッテリーテスターの基礎知識
バッテリーテスターとは、一体どのようなものなのでしょうか。メカニズムや種類・目的・必要性について詳しく説明します。
1-1.バッテリーテスターとは?
自動車やバイクに使用されている一般的なバッテリーは、鉛バッテリーと呼ばれています。くり返し充電することで、使い続けることができるバッテリーです。しかし、バッテリーにも寿命があり、定期的に交換しなければなりません。急な交換は、車・バイクが使えなくなる状況に陥ってしまいます。そんなトラブルを未然に防止できるのが、バッテリーテスターです。バッテリーに問題がないか、正常に使えるかどうか判断する機器となります。
1-2.バッテリーテスターのメカニズム
バッテリーテスターは、大きな電流をバッテリーから一気に取り出して、数秒間放電させたときの端子電圧を電圧計で表示する仕組みです。良否の判定は、色やデジタル数値などとバッテリーの種類によって異なります。しかし、この方法では、バッテリーに大きなダメージを与える可能性があると考えられており、現在は新しいタイプが登場しているのです。たとえば、バッテリーの内部抵抗を測定してCCA(コールドクランキングアンペア)で判断するテスターがあります。CCA(コールドクランキングアンペア)とは、鉛バッテリーが持つ性能基準値のことです。新しい方法であれば、テスターが熱を持たず、バッテリーにも大きな負荷を与えません。
1-3.種類
バッテリーテスターは、自動車用・バイク用・CCA(コールドクランキングアンペア)テスター・小型用など多種多様です。表示方法も、色・デジタル数値・アナログ数値・紙で表示されるタイプなど多岐にわたります。製造メーカーごとにいろいろな種類が出ているため、用途や目的を明確にしておきましょう。
1-4.目的
バッテリーテスターの主な目的は、バッテリーの状態を確認することです。そのまま使い続けることができるのか、性能が不足しているのか、直ちに充電したほうがいいのか判断でき、正しく処置ができます。故障しているのか、それともバッテリーの寿命が関係しているのか、調べたいときにも、テスターが大活躍するでしょう。正確に数値で状態が分かるため、交換や充電だけでなく、バッテリー以外の故障を見抜くこともできます。
1-5.必要性
バッテリーテスターは、バッテリーのメンテナンスに必要不可欠な機器です。古く寿命が近づいているバッテリーは、使い続けることで車やバイクの故障リスクが高まります。事故を防止するためにも、定期的なメンテナンスを行わなければなりません。テスターを使えば、自宅でもバッテリーの状態を確かめることができるでしょう。安心して使い続けるためにも、バッテリーテスターは必要です。
2.バッテリーテスターの主な使い方や特徴など
バッテリーテスターの基本的な使い方や測定の種類・CCA(コールドクランキングアンペア)・メーカーと特徴について詳しく説明します。
2-1.主な使い方
バッテリーテスターの基本的な使い方は、とても簡単です。バッテリーはプラスとマイナスがあり、テスターのクランプの赤をプラス、黒をマイナスにつなぎます。そうすると、表示画面にバッテリーの電圧・電流の測定値が表示される仕組みです。デジタル画面の場合は、数値が表示されるので一目で分かります。アナログの場合は、針が指した数値を読み取る方法です。従来のテスターは、測定したいものに合わせて電圧・電流を変えなければなりませんでした。しかし、近年のテスターは、自動的に設定するタイプがほとんどなので、簡単に使用できます。
2-2.測定の種類
バッテリーの測定方法は、コンダクタンス法・インピーダンス法・レジスタンス法の3つがあります。それぞれの特徴を以下にまとめましたので、ぜひチェックしてください。
- コンダクタンス法
ミドトロニクス社が特許権を持っている測定法。特定の周波数でバッテリーのセル・ユニットに交流信号を流して、端子間における電流レスポンスを測定する
- インピーダンス法
ほとんどのバッテリーで採用されている測定法。特定の周波数でバッテリーから電流を採った後、セル・ユニットの電圧低下を測定する
- レジスタンス法
負荷測定法と呼ばれており、アナログ式ロードテスターに採用されている。セル・ユニットに負荷をかけて電圧・電流の変化を測定
2-3.CCA(コールドクランキングアンペア)とは
【1-2.バッテリーテスターのメカニズム】で説明したとおり、CCAはコールドクランキングアンペアの省略で、バッテリー規格の表し方です。バッテリーにエンジン始動能力があるかどうかを調べる指標となります。詳しく説明すると、マイナス18℃の環境で、端子電圧が7.2Vまで低下する放電を30秒間ほど行った後、バッテリー内部にどのくらい電気の出力能力があるかを調べるものです。CCAの値が高ければ、バッテリーが元気な証拠となります。しかし、CCAはアメリカの指標となっているため、日本で主流のJIS規格に合わせたCCA規格を確認しなければなりません。日本におけるCCA規格に関しては、以下のホームページで記載されています。
2-4.メーカー・特徴について
バッテリーテスターの製造メーカーと言えば、三和電気計器株式会社・HIOKI・計測技術研究所・新栄電子計測器・エヌエスティ―などが挙げられます。中でも、三和電気計器株式会社とHIOKIは、多種多様なバッテリーテスターが登場しており、スムーズに測定できると好評です。
3.バッテリーテスターの購入・処分について
それでは、バッテリーテスターの購入・処分方法などについて詳しく説明します。
3-1.どこに依頼すればいいか
バッテリーテスターは、車・バイクの関連店舗や中古販売店などで手に入れることができます。近くに店舗がある方は、直接尋ねてみるといいでしょう。ただし、種類が限られている・在庫がないという可能性があります。店舗によって在庫状況が異なるため、事前に確認したほうがいいでしょう。また、中古販売店を選ぶ際は、取扱量に注目してください。テスターなどの計測器取扱量が多い業者は、幅広い種類がそろっています。
3-2.業者・商品選びのポイント
バッテリーテスターを選ぶ場合は、何のために使うのか、目的・用途を明確にしておきましょう。用途・目的がハッキリしていれば、それに合った種類が選びやすくなります。また、測定方法・サイズ・価格・数値表示なども比較してくださいね。業者を選ぶ場合は、以下のポイントに注目しましょう。
- 丁寧かつスピーディーな対応か
- 商品の取扱量が多いか
- 古物商の許可を取得しているか
- 無料で相談や見積もりを受けつけているか
- 販売だけでなく、買取も行っているか
3-3.価格について
大型から小型まで、バッテリーテスターの種類は幅広い傾向があります。そのため、価格もばらばらです。ハンドタイプのコンパクトなバッテリーテスターは、約3,000円~購入できます。CCA(コールドクランキングアンペア)やデジタル式などの最新式は、約6,000円~数万円です。サイズや機能・測定方法によって異なるため、価格もしっかり確認しておきましょう。
3-4.中古について
できるだけ、安い値段で購入したい方は、中古品がおすすめです。1度使用されたものですが、状態の良い商品もあります。ただし、状態の良い中古品を見つけるためには、業者選びが大きなポイントになるでしょう。
3-5.レンタルについて
短期間の使用であれば、レンタルをするのも選択肢の1つです。レンタルの場合は、期間や料金・追加費用・レンタル方法などを細かく確認してください。中古を購入したほうが安くなる可能性もあります。
3-6.買取について
使用済みのバッテリーテスターを処分する場合は、買取に出すことを検討してみてください。正常に稼働できるものであれば、買取してもらえる可能性があります。
3-7.注意点
「処分を依頼した後、追加費用を請求された」「安い値段で買い取られた」など、業者との間でトラブルが多発しています。業者に依頼する際は、サービス内容・対応・取扱量など細かい点を比較してから選びましょう。信頼できる業者を選択することが、トラブル防止につながります。
4.バッテリーテスターに関してよくある質問
バッテリーテスターに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.バッテリーの寿命はどのくらいか?
A.バッテリーの寿命は、およそ2~5年と言われています。ただし、使い方や使用時間によって異なるため、早めの交換が必要になることもあるでしょう。バッテリーの寿命が近づいてきたら、テスターを利用して交換の目安を知ることも大切ですね。
Q.バッテリーテスターを使用する際の注意点は?
A.電流測定の場合に、過電流によってヒューズが飛びやすい傾向があります。ヒューズの飛びを防止するためにも、電流測定の単位に気をつけてください。特に、小型テスターの電流測定は、最大でmA(ミリアンペア)単位がほとんどです。自動車やコンセント100V機器などの電流は測定できません。
Q.バッテリーテスターの構造が知りたい。
A.クランプ(リード棒)・測定レンジ・ボタン類・表示画面などで構成しています。クランプ(リード棒)はテスターとバッテリー本体を接続するもの、測定レンジは電圧・電流・抵抗などの測定切り替え、ボタン類はテスターごとに異なる機能ボタンのことです。機能を切り替えるSELボタン・デューティー比を測定するD-Hボタンなどがあります。
Q.バッテリーテスターの平均買取額は?
A.基本的に、販売価格の5~10%が買取額になると言われています。商品の状態や販売年月日・機能・メーカー・業者の在庫状況によっても異なるため、具体的な買取額に関しては見積もりを依頼してください。
Q.買取額のアップにつながるコツは?
A.購入時についてきた取扱説明書や部品・ケースなどの付属品は、買取額のアップにつながります。また、査定に出す前は、できるだけ商品をキレイな状態にしてください。汚れがついている場合は、キレイに掃除しましょう。
まとめ
バッテリーテスターは、バッテリーの状態が数値で分かり、交換の必要性が判断できます。車やバイクに使用するバッテリーは寿命があり、急な故障は事故につながりかねません。事故防止のためにも、バッテリーテスターを用いてメンテナンスを行うことが大切です。バッテリーテスターにもさまざまな種類があるため、目的や用途に合ったものを選択しなければなりません。用途を明確にしてから、複数のテスターを比較してみてください。事前に、種類や特徴・製造メーカー・導入・処分方法などの基礎知識を身につけておけば、スムーズに購入・処分することができます。