
レーザー距離計・レーザー測定器とは?使い方や種類・選び方について
CDやDVDプレーヤーなどの電子機器、建設・土木現場などレーザー光はあらゆる場所で利用されています。レーザー光は一般の光と大差ありませんが、普通の光ではできないことができるのです。そんなレーザー光に関係する機器「レーザー距離計・レーザー測定器」があります。一体、どんな機器になるのでしょうか。これから、レーザー光の距離測定器・距離計測器について詳しく説明します。
- レーザー距離計とは
- どんなことに使用されるのか
- レーザー距離計の種類について
- レーザー距離計の選び方
- レーザー距離計の使い方
- レーザー距離計を購入する際の注意点
- レーザー距離計のメンテナンスについて
- 不要なレーザー距離計を手放す方法
- よくある質問
この記事を読むことで、レーザー距離計の基礎知識が身につきます。
1.レーザー距離計とは
距離計という言葉はよく耳にしますが、「レーザー距離計」とは一体どんな役割を持っているのでしょうか。距離計測の目的、レーザー光について詳しく説明します。
1-1.レーザー光を利用した測定器
レーザー距離計とはレーザー光を利用して距離を測定する測定器です。レーザー距離測定器、レーザー計測器とも呼ばれています。距離を測るとき、一般的にメジャーなどを利用するでしょう。ただし、特殊な現場ではメジャーではなく超音波式やレーザー光を用いるものです。レーザー距離計は、レーザー光の特長を生かした測定器になります。ゴルフの距離計にも使われているものです。
1-2.レーザー距離計の原理・特長
超音波式の距離計は超音波を放射状に拡散させることで距離を測定します。よって、障害物の影響を受けやすいのです。一方、レーザー距離計・レーザー計測器などレーザー光を用いた機器は障害物の影響を受けません。ピンポイントで対象をとらえることができるため、より正確な測定ができます。レーザー光を目標物に照射した後、反射して戻るまでの距離を算出する仕組みです。従来のレーザー距離計は反射板(リフレクター)を取りつけていましたが、最新版では直接計測ができるようになっています。
1-3.測定する距離によって変わる呼称
レーザー距離計は測定する距離によって呼称が変わります。数10mm~数100mmを測定する近距離用は「変位センサー」です。逆に、数10mm~数mを測定する長距離用は「距離センサー」になります。レーザー距離計を使用する現場や目的によって使い道が異なるでしょう。より的確な距離を測定するためにも現場に合ったレーザー距離計を使わなければなりませんね。
2.どんなことに使用されるのか
2-1.建築・土木・製造現場
レーザー距離計は建築・土木・製造現場で使うことが多いです。特に、建築現場においては必要不可欠なアイテムの1つになります。建築では1mmの差が大きな誤差につながるものです。誤差を生み出さないためにも、正確に距離を測定しなければなりません。障害物の影響を受けずに正確に測定できるレーザー距離計が役立つのです。土木作業や造船における計測にも大活躍します。
2-2.室内の測定
室外はもちろん、室内でもレーザー距離計はよく使われます。室内ではどんなことに使用されるのでしょうか。やはり、主に多いのは建築関係です。部屋の広さやインテリアデザイン、土地全体の面積など、あらゆる場面で大活躍します。室内で測定する際は、レーザー距離計の室内用を利用することが多いです。
2-3.そのほかの使い道
娯楽・スポーツとして親しまれているゴルフの場でも、レーザー距離計が大活躍します。ゴルフ専用のレーザー距離計が販売されているのです。中には、ボタンを押すだけで測定結果がわかるものもあります。初めて使う人でも安心してレーザーメジャーが利用できるでしょう。遠くても簡単に飛距離が測定できるのはありがたいですね。
3.レーザー距離計の種類について
測定距離や目的など、レーザー距離計にはさまざまな種類があります。また、メーカーからも多種多様な製品が登場しているのです。事前に種類を把握しておけば、目的に合ったものが選べるでしょう。
3-1.屋外用レーザー距離計
大まかに区別するとレーザー距離計は「屋外用」と「屋内用」にわかれます。屋外用レーザー距離計は、名前のとおり屋外専用のレーザー距離計です。主に5m~1,000mまで測定でき、測距範囲が非常に広くなります。高さ測定をおこなう場合は三脚を使うケースが多いです。ゴルフ用レーザー距離計も屋外用レーザーの1種になります。
3-2.室内用レーザー距離計
屋外用レーザー距離計と同じく、代表的な種類が「室内用レーザー距離計」です。室内用は屋外とは違い、30m以下程度と測距範囲が狭くなります。室内での使用なので、中~長距離・太陽光の下での測定には向いていません。また、室内用レーザー距離計はポケットでも入るコンパクトサイズが多い傾向があります。
3-3.ついているさまざまな機能
レーザー距離計にはさまざまな機能がついています。たとえば、暗闇でも読みやすいようにバックライト液晶になっている、高さや幅が測定できるピタゴラス機能、測定経過もわかる3ライン表示などさまざまです。また、ライカ・ボッシュ・マックス・マキタなどメーカーによっても機能が異なります。どんな機能がついているか、メーカーをいくつか比較するといいでしょう。インターネットではゴルフなど距離測定器のランキングもチェックできますよ。
4.レーザー距離計の選び方
いろいろな種類があるレーザー距離計から何を選べばいいのか、悩む人は多いです。適当に選んでしまえば、的確な距離が測定できません。正しいレーザー距離計が選べるよう、選び方のポイントをチェックしておきましょう。
4-1.測定可能な距離の長さ
レーザー距離計を選ぶ際、最も注目してほしいポイントが「距離の長さ」です。測定可能な距離の長さによって、適切なレーザー距離計が選びやすくなります。また、測定距離の違いは価格に大きく関係するものです。レーザー距離計の価格は1万円前後~10万円と幅広いでしょう。価格と測定可能な距離の長さを確認しながら選んでください。
4-2.傾斜測定の有無
レーザー距離計はほとんど同じ仕組みでできています。機能に多少の差は見られますが、大きな差が出てくるのは「傾斜測定の有無」です。傾斜測定の有無はピタゴラス測定に関係します。傾斜測定がついていることで従来不可能だった測定が可能、1工程少ない測定ができるようになるのです。たとえ、傾斜測定をするつもりはなくてもついておいたほうが効率的でしょう。
4-3.屋内・屋外
距離の長さに関係していることですが、「屋内」か、それとも「屋外」で使用するのか明確にしておいてください。屋外・屋内どちらで利用するかによって、レーザー距離計の選び方が変わります。
5.レーザー距離計の使い方
レーザー距離計の使い方は難しいと思っていませんか?レーザー距離計の使い方はマスターすれば簡単です。スムーズに測定ができるよう、事前に使い方をチェックしておきましょう。
5-1.ボタンを押すだけのデジタル表示
販売されているレーザー距離計はほとんどがデジタル表示です。操作はとても簡単なので安心してください。まず、レーザー距離計の位置を起点に合わせながら決めます。そして、対象となるものに向けてボタンを押すだけです。ボタンを押したら測定したデータがデジタル表示されます。ただし、手元が安定していなければ測定できません。レーザー距離計はきちんと固定してくださいね。
5-2.測定しやすくなる「反射板」
レーザー距離計がより使いやすくなるアイテムがあります。アイテムとは「反射板」です。従来の測定法では反射板を使うのが当たり前でした。現在では技術の発展から反射板を使わずとも気軽に測定できます。しかし、反射板をあえて使うことでより測定しやすくなるのです。レーザー距離計が測定しにくい…と感じる場合は、反射板を活用してください。
5-3.レーザー変位計の使い方
レーザー光によって触れずに安定測定できるのが「レーザー変位計」です。つまり、物体がある位置からほかの位置へ移動したときの「移動量」を測定します。変位量はもちろんのこと、物体の高さや幅など寸法測定にも利用できるでしょう。レーザー変位計の使い方は、対象物を取りつけるだけです。材質や色に差があるもの、回転物体は平行に取りつけると位置ズレが防止できます。
6.レーザー距離計を購入する際の注意点
せっかく高いレーザー距離計を購入しても使えなければ意味がないですよね。失敗しないためにも、レーザー距離計を購入する際の注意点をチェックしてください。
6-1.レーザー距離計を比較する
早く購入したいからと焦って選んでは失敗してしまいます。大切なのは、レーザー距離計をいくつか比較することです。メーカーによってさまざまな種類が登場しています。たとえば、3次元幾何(きか)情報を取得する「3次元計測」「3dスキャナー」やゴルフ専用の「ゴルフレーザー距離計」など、比較すると特徴がわかりやすくなるのです。レーザー距離計選びを面倒くさがらず、比較してぴったりなタイプを見つけましょう。
6-2.使う場所を考えて購入する
つい機能面ばかりに目がいってしまいますが、前提に「使う場所」を考えなければなりません。使う場所が室内なら室内用、距離が長ければ測定距離を確認する必要があります。長さ測定器でもあるため、購入前にどこで使いたいのか明確にしておいてください。
6-3.測量機器のレベル
測量機器には自動レベル・ティルティングレベル・電子レベル・レーザーレベルと4種類があります。そもそも、レベルとは水準測量や地面の高低差測定をするときに使うものです。レーザー測定器に関係するレーザーレベルは、レーザー機器の仲間になります。レーザーを回転させることで当たる部分に受光器を持っていき計測する仕組みです。メーカーによってレベルの呼び方が異なります。
7.レーザー距離計のメンテナンスについて
機器にはメンテナンスが必要です。レーザー距離計の場合、メンテナンスの回数や時期はどうなるのでしょうか。長く使い続けるためにも、メンテナンスについて知らなければなりませんよ。
7-1.1年に1回の点検を
レーザー距離計だけでなく、レーザー墨出し器、レーザーレベル計などは精密機器の1つです。精密機器であるため、最低でも1年に1回の点検が必要になります。定期的に精度確認をするため、購入した機器のメーカーに依頼してください。逆に、点検をきちんとしなければエラーが出やすくなります。
7-2.使った後は必ず掃除をする
使用後の掃除は基本中の基本です。対象物質にレーザーを照射するレーザー距離計は、使うたびに汚れます。ホコリがたまればたまるほど、反射が弱くなるものです。また、荒れた布地で掃除すれば傷がついてしまいます。掃除する道具にもできるだけ刺激がないものを選んでくださいね。
8.不要なレーザー距離計を手放す方法
要らなくなったレーザー距離計を処分したいけれど、処分方法がわからない…と悩みがちです。その悩みを解決するため、不要なレーザー距離計を手放す方法を紹介しましょう。
8-1.買取・回収業者に依頼する
測距計や距離測定センサー、3D測定器など、あらゆるレーザー距離計の回収・買取をしている業者に依頼してください。幅広い品物の買取をしている業者よりも、レーザー距離計など特殊な機器を取り扱っている業者のほうが適正価格で買取してくれくれます。知識も豊富なので納得できる方法で処分できるでしょう。
8-2.オークションに出品する
業者に回収・買取を依頼するほかに、オークションに出品する方法があります。オークションでは安い価格で求めている人がほとんどです。買い手が見つかれば、すぐに売れるでしょう。ただし、手続きや相手とのやり取りが大変です。
9.レーザー距離計にかんするよくある質問
レーザー距離計にかんするよくある質問を5つピックアップします。疑問や悩みがある人はぜひ参考にしてくださいね。
9-1.レーザー距離計で何がわかるの?
レーザー距離計ではレーザーを照射した対象地点・物体までの距離がわかります。距離だけでなく、傾斜角や高さも測定可能です。高い品質・測定精度を持っているハンディタイプは操作性に優れているので初心者でも扱いやすいでしょう。
9-2.ハンディータイプはブレないの?
よく、ハンディータイプはブレやすいのでは?と質問を寄せられますが、思っているよりはブレません。もし、手ブレが気になる場合は三脚やアダプターで固定してください。また、標準機能になっているタイマー機能を活用すれば、ブレが防止できます。
9-3.レーザー距離計はどこから測っているの?
レーザー距離計はさまざまな部分で測定基準の設定ができます。大まかにわけるなら「本体先端」「三脚使用時」「終端」になるでしょう。測定基準は自由に設定できるため、使用目的に合わせてください。
9-4.レーザー距離計のアクセサリーとは?
距離計には本体とは別売りのアクセサリーがたくさんあります。たとえば、三脚・雲台・メガネ・ターゲットプレートなどです。対象と測定位置が安定している場合はアクセサリーを使用しなくてもいいでしょう。しかし、不安定の場合はアクセサリーが大活躍します。
9-5.レーザー距離計は水面でも測定できるの?
レーザー光は水中を透過します。よって、水面測定においては不向きです。水面を測定したいときはレーザー光ではなく、超音波レベル計を使用します。
まとめ
いかがでしたか?レーザー距離計は原理や仕組み、使い方、種類など基礎知識を身につけておけば、目的に合わせて使うことができます。購入するときはレーザー距離計をいくつか比較してください。比較することで目的に合っているかどうかわかりやすくなります。最近では、初心者でも使いやすいタイプが出てきているので要チェックです。使用場所・目的を明確にしたうえで使いましょう。