
ネットワークアナライザとは?使い方や選び方をご紹介します。
ネットワークアナライザとは、高周波回路を通過する反射電力の周波数特性を測定する機械のことです。
何やら難しげに思えるかもしれませんが、電子回路などを作成している工場などでは、必ず使われています。
今回はネットワークアナライザの使い方や、メーカー、中古市場の状況などをご紹介しましょう。
専門的なものを測定する機械はおおむね高価です。
しかし、丁寧に使われているので中古品でも新品と同じように使えるものも少なくなありません。
ネットワークアナライザの購入や買い替えを検討している方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
1.ネットワークアナライザとは?
ネットワークアナライザとは、電子回路網を解析する装置として開発されました。
電子回路とは、電化製品には必ず使われている電流が流れる道筋のこと。
電子回路が作動することで、スイッチが入ったり電波をキャッチしたりするのです。
つまり、電化製品を正しく作動させるための地図といったところでしょう。
この電子回路には、高周波をキャッチすることで作動するものがあります。
一例をあげると、無線機です。
私たちの周りには、いろいろな無線機があります。
ここ10年の間に一気に需要が拡大したのが、無線ランでしょう。
無線ランは、Wi-Fiを飛ばすことで端末を無線でインターネットに接続できるようにする機器です。
このほかにもテレビやラジオといった映像や音声をキャッチする家電も無線機の一種になります。
さて、私たちの周りにはたくさんの電波が飛んでいますが、ラジオはラジオの、テレビはテレビ向けに流された電波だけをキャッチできるのです。
なぜこんなことができるのか、というとテレビ、ラジオ、Wi-Fiの電波はそれぞれ周波数が違います。
周波数とは、電波の伝わり方を表す数値のこと。電波は、波状に空間を伝わって受信機にキャッチされるのです。
この電波が一定の距離を伝わるときの波の数が周波数になります。
出発点から山と谷を描いて元の地点に帰ってくるまでを1として計測し、ヘルツで数を表記するのです。
この数値が高いほど周波数は高くなり、高周波と呼ばれます。
ネットワークアナライザは、この電子回路がどの程度の周波数で作動するのかを測定する装置になるのです。
高周波は人間の目には見えず、耳にも聞こえません。
ですから、目視したり聞いたりして測定することはできないのです。
しかし、ネットワークアナライザを使えば、回路のインピーダンス整合の確認や伝送ケーブル内での反射箇所の特定、定在波比の測定なども行えるでしょう。
2.ネットワークアナライザの使い方
ネットワークアナライザは非常に凡庸性の高い計測器です。
しかし、基本は反射測定と伝送測定の2つを計測すること。
もう少し具体的にいうと、DUTに高周波正弦波信号を入射した場合、反射される信号の変化を測定する。
もうひとつが、DUTに高周波正弦波信号を入射した場合、デバイス内部を伝送した信号がどのように変化するのかを測定することになるのです。
この測定値の値からいろいろなことが分かるのですが、専門の知識がなければ、測定の仕方を理解するだけでも一苦労だと思います。
もし、興味がある方は「ネットワークアナライザ、使い方」でインターネットを検索してみましょう。
計算式がいろいろとヒットして、首をかしげられる方もいると思います。
また、ネットワークアナライザは使用する前に必ず校正を行うのです。
校正を行うことでより正確な数値が測定されるでしょう。
3.ネットワークアナライザを製造しているメーカーとは
ネットワークアナライザを製造、販売しているメーカーは、ゴンテック、キーサイトテクノロジー、日本ナショナルインスツルメンツなどがあります。
ほかの計測器を扱っていたり産業用のコンピューターを取り扱っていたりするところもあるので、別の製品を購入したこともある、という方もいるでしょう。
それぞれの製品はメーカーならではの特徴がありますので、興味がある方は各メーカーのサイトにアクセスして商品内容を確かめてみましょう。
4.ネットワークアナライザの選び方
では、最後にネットワークアナライザの選び方をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
4-1.ネットワークアナライザを使用する場所
ネットワークアナライザは、単独で使用するものもあればパソコンと接続して使うものもあります。
今は、ネットワークアナライザ用のアプリなども開発されていますので、初めてネットワークアナライザを使用するという場合は、アプリが使えるものを選んだ方がよいでしょう。
また、研究所のようなところで使用するか工場で使用するかによっても適した製品は異なります。
実際に使う方とよく相談をして決めましょう。
4-2.今まで使っていた製品の上位機種を使う
ネットワークアナライザは、ほかの測定器とは異なり測定値を改めて計算することによって、欲しい情報を得る測定器です。
ですから、同じ測定器とはいえ、使い慣れたメーカーでないと慣れるまで使いこなせないという場合も多いでしょう。
そのため、長年使っていたネットワークアナライザを買い替えるという場合は、同じメーカーのものを選んだ方がよいのです。
4-3.ネットワークアナライザの中古市場とは?
ネットワークアナライザは、高いものですと100万円以上します。
気軽に買い替えられるものではありませんし、壊れ出もしない限りふんぎりがつかないところも多いでしょう。
高価な測定器は中古市場が形成されていますが、ネットワークアナライザも例外ではありません。
ネットワークアナライザは1990年代製のものでも、丁寧に使っていれば十分に使用できるでしょう。
ですから、高価な製品が欲しい場合は、中古品を扱っているところに問い合わせてみるのもお勧めです。
ただし、パソコンと連動させて使う製品は対応するOSをよく確認してください。
Windowsの場合は、あまり古いものに対応しているものですと、最新式OSに対応できません。
新しいドライバーをインストールできるものもありますが、ごく限られています。
また、古いネットワークアナライザが不要になった場合は、買い取ってくれる業者を探してみましょう。
思っている以上に高値がつくかもしれません。
5.おわりに
いかがでしたか?
今回は、ネットワークアナライザの使い方などをご紹介しました。
ネットワークアナライザは1台でいろいろなことが測定できる機械です。
だから高価でもあり、使い方も複雑になります。最近の製品はパソコンと連動させることで、測定の仕方も簡単になり、測定記録をずっとパソコンに自動的にインプットし続けることも可能になりました。
それでも、古いものの方が使いやすいという方もいるでしょう。
ネットワークアナライザは高価な測定器です。
ですから、新しく購入する場合はできるだけ長く使えるものを選んでおくとよいでしょう。
。パソコンと連動させるタイプのものは、逆にあまり高価なものを買ってしまうと買い替えが難しくなります。
実際に使う人の意見をよく聞いて商品を選びましょう。
中古品も専門の業者が扱っているものですと、メンテナンスがしっかりされていますので、安心です。