
風速計の原理や種類、役割とは?風速計について詳しく知ろう!
風速を測る装置「風速計」にはさまざまな種類があります。
主な設置場所は飛行場や山頂、塔などですが、手に持つタイプまで幅広いです。
もっと風速計について知るため、これから風速計の原理や種類、役割について説明していきます。
風速計を使う機会がある人や風速計について知りたい人はぜひ参考にしてください。
1.風速計の原理
天気予報には、天気のほかに最高・最低気温や風速が出てきますよね。
風速を測定したいときに大活躍するのが「風速計」です。
それでは、風速計は一体どのようにして風速を測定しているのでしょうか。
風速計の原理について詳しく説明しましょう。
1-1.気象庁や地方公共団体が使用している「風車型風速計」
風速計にはさまざまな種類があります。中でも、気象庁や地方公共団体、多くの事業者が使用しているのが「風車型風速計」です。
一般的に普及している風車型の原理を説明していきましょう。
基本的に、風車型の胴体は流線型です。
流線型の胴体に4枚のプロペラと垂直尾翼がついています。風が吹くと風上に向いたプロペラが回転する仕組みです。
プロペラが回転し始めると、胴体の向きからは風向き、プロペラの回転数からは風速がわかるようになっています。
つまり、プロペラの回転数が多ければ多いほど風速が高くなるのです。
1-2.風圧を測定した原理
風速計を取り扱っているメーカーによって方式はばらばらです。
風車型のように風速計は「風圧を測定して風速を求める」原理で成り立っています。
風速計についているプロペラの回転速度は風圧に比例しているものです。
よって、風圧が大きければ大きいほど回転速度が速くなります。
風車型風速計のほかにも、「ロビンソン風速計」と言った風速計など種類はさまざまです。
風圧によって抵抗体の働きを測定する風板風速計、導管で風圧を測定場所に伝えるダインス風速計があります。
基本的に風速計は「風圧」をいかに活用するかによって方式が異なるのです。
1-3.風速計の使い方とは
風速計の原理を活用した使い方をご紹介します。
主な使い方は風向・風速を測定ですが、陸上競技の使用など幅広いです。
気象観測用として使用する場合、許容範囲の性能によって距離定数が変わります。
たとえば、距離定数が12mの以下の場合は器差が風速10m/s以下において0.5m/sになるでしょう。
風速10m/s以上は風速のおよそ5%です。
また、風速計は手持ちサイズが登場するなど小型でも測定できます。移動観測用としての手持ちサイズは一般人でも使いやすいでしょう。
工場現場や固定場所での測定には、三脚つきの風速計が便利です。
風速の原理はもちろん大切ですが、使用目的や場所によって適切な風速計を選ぶことができます。
風速計を使用する際は、「目的」「場所」を明確にするといいでしょう。
2.風速計の種類
2‐1.3~4個の半球・円すい殻がついた「風杯型」
プロペラ型、発電機式など風速計は幅広い分野で活用できるようになっています。
今では「風車型風速計」が主流になっていますが、昔は「風杯型」が一般的でした。
風杯型風速計の特徴は、回転軸のまわりに半球・円すい殻が3~4個ついている点です。
1度は見たことがある人も多いでしょう。
3~4個ついている半球・円すい殻のことは「風杯」と言います。
風が吹くと風杯がまわって精算した回転数によって風速を測定する仕組みです。
風杯が半球・円すいになっているのは、空気抵抗を大きくするためだと言われています。
凸面よりも凹面のほうが空気抵抗は大きいので、凹面を押すように軸が回転するのです。
ちなみに、風杯型のメリットは「風の変化に対応できる」点になります。
しかし、風速と同時に風向きを測定することはできません。
よって、風向きを測定したいときは風向計の設置が必要です。
2‐2.超音波を活用した「超音波式風速計」
「超音波式風速計」は世界中のさまざまな場所で使用しています。名前のとおり超音波を活用した風速計です。
超音波風速計の原理は「超音波パルスの波及にかかる時間」がポイントになります。
超音波送受信器であるトランスデューサーが向かい合い、間に超電波パルスが波及すると考えてください。
トランスデューサー間を波及する所要時間の測定によって、双方の伝播時間がわかります。
風が吹くと風向とは違う方向に超音波が発射するでしょう。
発射した超音波が対になっているトランスデューサーに届き、到達する時間の遅延によって風速・風向を導き出します。
つまり、伝播時間の変化が風速・風向の基本になっているのです。
また、超音波式風速計は耐久性に優れているため、ほとんどへき地に設置しています。
3.風速計の役割
3‐1.自然災害の被害状況把握に役立つ風速計
風速計を設置している学校は多いです。
気温を測定する「百葉箱」と一緒に設置しているため、気象関連のものと関連づけている人がほとんどでしょう。
もちろん、風速計の役割は「風の強さ」を測るためのものです。
しかし、最近増えている自然災害の被害状況把握にも役立ちます。
最近は日本だけでなく、世界各国で起きているのが異常気象です。
いつ起こるかわからない気候変動に私たちは対応していかなければなりません。
風速計には風圧型や電気抵抗の変化でわかる熱線型、プロペラ型などさまざまです。
実用化に成功した風速計が増えていき、仕事で必要な風速計を設置する事業者も増加しました。
風速や風向が影響する台風・竜巻など、私たちの生活に関係する異常気象の測定には必要不可欠です。
さらに、将来は風速計がさまざまな場面で活躍するでしょう。
3‐2.設置場所が大切
さまざまな種類の風速計はありますが、何より大切なのは「設置場所」です。
主な設置場所は、飛行場や電波塔、山頂など風の影響力が強い場所になるでしょう。
風速計は、種類に合った場所に設置するのが基本です。
たとえば、風向まで測定できる風車型はさまざまな場所で大切に設置しています。
幅広い場面で使用できる種類です。
一方、風杯型は持ち運びができるため野球場や陸上競技場などでも使用できます。
陸上競技では追い風の影響もあるため、風杯型風速計によって点数が左右することになるでしょう。
設置場所の中でも飛行場や登山口は人の命に関係するほど大切なものです。風速計からの数値が安全確保につながります。
気象庁や地方公共団体は風速計の使用目的や種類をふまえたうえで設置場所を決めているのです。
より上手に活用するには、種類だけでなくそれぞれの原理や特徴を理解しておかなければなりませんね。
4.まとめ
風速計の原理や種類、役割について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
風速を測定する風速計は、主に「風車型」「風杯型」「超音波式」の3種類があります。種類によって使い方だけでなく、形や原理も異なるでしょう。
したがって、しっかり風速計について理解しておかなければなりません。
きちんと把握しておけば、適切な場面で風速計が使用できるでしょう。
また、風速計を使用する際は「設置場所」が大きなポイントになります。正しい場所に設置するためにも使用目的と風速計の種類を明確にしておきましょう。
さらに、風速計の種類や特徴はメーカーによっても異なる部分があります。
さまざまなメーカーの風速計を比較して、使用目的に合った種類を選んでくださいね。