
オシロスコープにはどんな種類がある?選び方とともに紹介!
オシロスコープは、電気に関係する仕事に必要な道具です。ですから、種類も多く値段にも幅があります。
そこで、今回はオシロスコープの種類や選び方をご紹介しましょう。高価なものを買えばよい、というわけでもないのです。
また、オシロスコープを複数持つ場合の選び方もご紹介していきます。オシロスコープを必要としている企業は多いですが、選び方を間違えると、台数だけあって使えないということにもなるでしょう。オシロスコープを使っている企業やこれからオシロスコープを購入したいと思っている方は、必見ですよ。
1.オシロスコープとは?
オシロスコープとは、電気を可視化する測定器です。電気は火花などが散らない限り目に見えません。静電気のようにまさつによって可視化することもできますが、それ以外のことは測定器を使うほかないのです。電気の挙動を調べるには電圧器などがありますが、時間とともに変化していく電気の様子はとらえきれませんでした。
オシロスコープとは、時間とともに変化していく電気の様子を電気信号(電圧)としてとらえ、ブラウン管に描く装置です。こうすることによって、電気の挙動をリアルタイムに追いかけることができます。オシロスコープという名前は知らなくても、映画やドラマで緑色の線が波状を描いて映し出されている機械を見たことがある方もいるでしょう。あれがオシロスコープです。
電気に関係する仕事の現場では、必ずといっていいほど使う機械。オシロスコープがあれば、電気信号の電圧の時間的変化が簡単に測定できます。電圧器やテスターでも瞬間的な電気信号の様子は測定できますが、時間的な変化を測定できるのはオシロスコープだけです。さらに、測定できる電気信号の幅が非常に大きいので電子工学分野のエンジニアは、使いこなせなければ仕事ができないとまでいわれています。
2.オシロスコープの種類は?
では、オシロスコープにはどのような種類があるのでしょうか? この項では、メーカーや形の違いなどをご紹介していきます。
2-1.オシロスコープのメーカーは?
オシロスコープは世界中で製造されていますが、日本では国産のものと米国産のものがよく使われています。米国産ではテクトロニクス社のものが最も有名です。テクトロニクス社はオシロスコープの開発メーカーでもあります。ですから、日本でもいろいろな企業でテクトロニクス社の製品が使われているでしょう。
最近では4Kに対応したオシロスコープも販売しています。日本のメーカーでは横河電機や岩通計測などが有名です。ですから、これらの製品を買えば問題はないでしょう。知名度が低いメーカーのものでもよいのですが、中国製などは正確性や耐久性に問題があるものもあります。
2-2.アナログとデジタルの違い
オシロスコープには、デジタルとアナログの2種類があります。アナログの場合はプローブで拾った信号を直接モニターの垂直軸に入力し、信号そのものを観察するのです。デジタルの場合は、一度アナログで拾った信号をアナログデジタル変換器に通してデジタルデータに変換し波形メモリーに蓄積します。
その上で、補間などの処理を通してディスプレイに表示してるのです。ですから、信号波形も残りますし取りこんだデータの解析も簡単。インターネットを通じていろいろなやり取りもできるでしょう。しかし、最初の1台を買うならば、アナログのオシロスコープにして動作原理を理解した方がよい、といわれています。
また、アナログで操作経験を積めば、デジタルオシロスコープの扱いも簡単です。ですから、環境が許すならばアナログオシロスコープに使いなれてから、デジタルを使った方がよいでしょう。
2-3.形状の種類の違い
オシロスコープには据え置き型とポータブル型があります。据え置き型は大きいので、モニターが見やすく多機能なものも多いでしょう。
ポータブル型は持ち運びに便利です。これよりも小型なハンディ―タイプもありますが、できることが限られている上に高価なので、ハンディ―タイプがポータブル型を選択できるのならポータブル型などの方が使いやすいでしょう。
また、最近はパソコンにつないで使うUSB型なども販売されています。これはパソコンに直接データを取りこめるメリットはありますが、パソコンと電気的に絶縁されていません。ですから、事故が起こった場合はオシロスコープだけでなくパソコンまで壊れてしまう可能性があります。そのため、初心者にはお勧めできないタイプです。
3.オシロスコープの選び方
では最後に、オシロスコープの選び方をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
3-1.最大入力電圧で選ぶ
オシロスコープは、サイン波の周波数が高くなるにつれて表示されるふり幅が、だんだんと減少していくのです。このようにオシロスコープに示される周波数の帯域は、すべてが正確に示されるわけではありません。この周波数の帯域を決めるのが、最大入力電圧です。最大入力電圧が以上の電圧をオシロスコープに測定されれば、壊れてしまうでしょう。ですから、測定する電圧に合わせてオシロスコープを選んでください。
ただし、最大入力電圧は、実際に入力できる電圧よりも高く設定されています。特に、周波数が高いほど最大入力電圧に比べて実際に入力できる電圧は小さくなるので注意が必要です。
3-2.最高感度で選ぶ
オシロスコープで測る波形の大きさが小さいほど、高感度のオシロスコープが必要です。どの程度までの小ささの波形を測定できるかは、「垂直軸感度」によって変化していきます。ですから、細かい波形を測定したい場合は、垂直軸感度の高いものを選び、ノイズを低下させる機能がついているものにするとよいでしょう。
3-3.測定チャンネル数で選ぶ
測定チャンネル数とは、波形をいくつ観測できるかの違いです。ほとんどのオシロスコープが2つか4つの波形を測定できるようになっています。しかし、波形が0か1のデジタル値を取るロジック信号を測定する場合は、さらに16個の波形を追加観測できるものもあるのです。ですから、多チャンネル波形観測をする場合は測定チャンネルが多いものを選びましょう。現在のところ、20個までの波形を同時に測定できるオシロスコープが商品化されています。
おわりに
今回はオシロスコープの種類や選び方をご紹介しました。オシロスコープは、いろいろな場所で使われています。
ですから、種類や形状もたくさんあるのです。当然ですが多機能のオシロスコープは高価になります。標準の据え置きタイプよりもポータブル型やハンディ―タイプの方が値段は高いでしょう。さらに、高価なオシロスコープは、中古市場が形成されています。オシロスコープは丁寧に使われることが多いですから、中古品でも十分に使えるでしょう。中古専門のオシロスコープ販売店もあるのです。
また、高価なオシロスコープは買い取ってもらえますので、それを売却したお金で新しいオシロスコープを購入することも可能でしょう。中古市場はインターネットでの取り引きも盛んです。売買を行っているサイトなどをこまめに見ていれば、よい品が安く手に入るかもしれません。前述したメーカーのものですと、古くても性能に問題はないでしょう。