地震で家具が飛ぶ!? 災害時における家具の危険性と転倒防止対策は?

「地震による家具の転倒が危険だ」……という話はテレビなどでよく聞くと思います。しかし、そう分かっていても多くの人は甘く見ており、実際に対策はしていません。たとえば、東京消防庁が都民に『家具の転倒防止対策に関するアンケート』をとったところ、何らかの対策をとっている人は『27.8%』に過ぎませんでした。つまり、10に7人は何の対策をしていなないのです。

しかし、地震の際の家具は凶器となり得ます。家具なんて倒れても大したことがないと楽観していると、いざ地震が起きたとき『命にかかわる』かもしれません。

そこで、今回は地震の際における家具の危険性や転倒防止対策についてご紹介していきます。ぜひ、最後までお付き合いくださいね!

  1. 家具転倒の危険性は?
  2. 優先的に対策したい家具について
  3. 家具の安全対策について
  4. 使い方を間違えると逆効果になる?

1.家具転倒における危険性は?

「家具なんて転倒しても死にはしない」……そんな風に甘く見てはいませんか? しかし、実は家具の転倒は致命的な状況を引き起こすリスクがあります。この項目で危険性を学びましょう。

1-1.家具の転倒によって逃げ遅れるリスクがある

家具の転倒に置いて最も恐ろしいのが、『障害物となる』『押しつぶされて身動きがとれなくなる』といった直接生死とは関係ない部分です。

阪神淡路大震災においては、地震そのものによる被害はもちろんですが、火災による被害が甚大でした。地震が起きて隣の家や自宅で火災が起きたとき、倒れたタンスで部屋の出口を塞がれていたら。あるいは、寝ていたところに倒れてきて身動きがとれなくなってしまったら、大変なことになってしまいます。仮にどかすことができても、そのときには延焼して逃げ場がなくなっているかもしれません。

また、東日本大震災では津波が話題となりました。津波ではどれだけ早く高台に避難できるかが生存するための肝です。家具の移動で時間をとられていたら津波に巻き込まれるかもしれませんよね。

「家具なんてそんなに倒れるものじゃない」……と楽観する人も多いようですが、東日本大震災のように震度6強~震度7クラスの地震では倒れるだけではなく『家具が飛ぶ』こともあるそうです。対策をしていなければ、簡単に障害物となるでしょう。

寝室の布団やベッドの横、部屋の出入り口などに大きなタンスや棚は置かれていませんか? できれば配置を換えましょう。できないようならしっかりと転倒防止策をとる必要があります。 

1-2.家具の転倒は時として凶器ともなり得る

実は地震による負傷被害で最も大きいのはこの家具の転倒が原因といわれています。

たとえば、平成7年に起きた阪神・淡路大震災。この震災では約24万棟の家屋が全・半壊し、死者約6,000人・負傷者約38,000人の惨事を引き起こしました。この負傷者のうち、家具等の転倒・落下によりケガした人数が『半数』を占めているのです。

そして、死者の中には頭部を家具に押しつぶされて命を落とした人もいます。家具の重量は大体50~70キロほど。それが勢いよく頭に落ちてくれば致命傷となることもあるでしょう。家具は凶器となり得るという認識を持たなければいけません。

2.優先的に対策したい家具について

家具と一口にいってもさまざまな種類があり、置いてある場所もさまざまです。では、どのようなものを優先すべきなのでしょうか。

2-1.高さ家具

最優先に対策をとりたい家具は、高さ・奥行きの大きい家具。大きな家具は重量があるだけでなく、転倒したときに障害物となりやすいからです。自分の胸より高さよりも高いものを目安に対策してください。

2-2.避難経路にある家具

次に対策をとりたいのは避難経路を塞ぐ可能性のある家具です。廊下や部屋の入り口付近にある家具はできる限り場所を移し、できないものにはしっかりと対策を施してください。

2-3.本棚などの収納物が重い家具

本棚などの収納物が重い家具も優先的に対策しましょう。転倒時の衝撃が大きくなるので、寝室等のように下敷きになる可能性が高い場所に置いておくと大変危険です。

2-3.食器棚などの収納物が危険な家具

次は食器棚です。収納してある食器が割れて散らばると、破片を踏んでケガをするかもしれません。火事や津波が起きている際には致命的となります。特に津波が起きているの場合は、外に逃げるだけでなく高台まで避難する必要がありますから、足は絶対にケガをしたくありません。必ず対策しておきましょう。

3.家具の安全対策について

家具の転倒防止や、危険度を下げるにはどのような方法があるのでしょうか。この項目では代表的なものをご紹介していきます。

3-1.部屋に固定する

チェーンやベルト、L字金具や突っ張り棒等を使って家具を固定しましょう。

ただし、転倒防止器具は使い方しだいでは『逆効果』になることもあります。家具や部屋の状況をよく確認してとり付けなくてはいけません。逆効果になる原因や設置法については下で解説しますので、そちらをご覧ください。

3-2.家具と家具を固定する

小型の本棚や収納ボックスのように上下に積み重ねて使う家具は、上部の家具だけを壁や柱に固定しても下部の家具が揺れでずれて転倒してしまいます。重ねた家具の側面を金具で連結し、さらに上部の家具を壁等に固定しましょう。

3-3.扉の開放を防止する

食器棚などは収納物が散らばると危険です。中身が出ないように留め具を扉に付けることをおすすめします。その上で棚の前面に板や棒による飛び出し防止枠を付けると安心です。中の収納物が揺れで滑らないように、布巾やゴムシートを敷いておくとさらに良いでしょう。

また、もしも食器棚がガラス製なら、ガラス部分には割れても大丈夫なように飛散防止フィルムを貼っておくのをおすすめします。

3-4.重いものは下に収納する

重心は低ければ低いほど倒れ難くなります。食器棚では陶器やガラスで作られた大きくて重いもの、本棚では事典などの重い本を下段に入れるようにしてください。

本当に重いものを下にすると倒れづらくなるのか疑問な方は、ペットボトルを用意しましょう。満杯のときは少し押しただけで倒れますが、3分の1程度にするとさらに倒れづらくなるのが分かると思います。

また、重いものを下側に収納することで、万が一倒れたり収納物が落ちて来たとき、ケガのリスクが下がるというのも重要な点。重い辞書が頭に落ちてくるのと、小さな文庫本が落ちてくるのではどちらが危険かいうまでもありませんよね。

4.使い方を間違えると逆効果になる?

本来家具の転倒を防ぐのに効果的な家具転倒防止棒。実は設置場所を間違えると衝撃で天井が破壊されてしまい、『テコの原理』によって勢いよく家具が転倒してしまいます。また、チェーンや金具等といった壁に設置するタイプも設置場所を間違えると反動で家具に勢いがついてしまい逆効果です。非常に危険なので、設置法には十分気を付けなければいけません。

4-1.正しい設置法とは?

逆効果になる可能性があるとはいいましたが、なにもこれらの転倒防止器具が悪いわけではありません。正しい設置箇所に設置すれば高い効果が期待できます。

まずは転倒防止棒の効果を発揮させるポイントは『天井内部の梁(はり)』です。逆効果になってしまう原因は天井が壊れる際に起こるテコの原理ですが、逆にいえば天井さえ壊れなければテコの原理は起こりません。ですから、絶対に天井が壊れない場所、すなわち梁のある部分に設置すれば良いのです。

チェーンや金具など壁にとり付ける器具も考え方は同じ。空洞部分にとり付けると反動で外れ、さらにその勢いのまま倒れてしまうので危険です。しかし、『壁内部の柱』にしっかりとネジが入るようにすれば外れないので効果がしっかりと発揮できます。

4-2.梁や柱のある場所はどうやって見極める?

梁や柱がどこにあるのかは壁があるため分かりません。そのようなときにはまずたたいてみましょう。梁や柱のない場所は籠もった音が鳴り、さらにたたいた表面が若干震える感触がします。逆に梁や柱のある場所では固い音が鳴り、表面は震えません。

また、割れない程度に押してみるのも方法の一つ。たわむ場所は梁や柱が入っていません。たわまない場所を選びましょう。

4-3.梁の場所が分からないときには『補助板』を使おう

壁は簡単に叩いて回れますが、天井はそうもいきません。転倒防止棒を使いたいが、天井を調べるのが困難な場合には『補助板』を使いましょう。使い方は天井と防止棒の間に挟むだけです。防止棒だけでは接触面積が小さいため『点の力』が天井にかかりますが、補助板を挟めば接触面積が広くなり『面の力』に変わります。天井にかかる負荷が下がり、天井の破壊を阻止できるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は地震の際に危険な、家具の転倒を防止するための方法をご紹介しました。

  1. 家具転倒の危険性とは?
  2. 優先的に対策したい家具について
  3. 家具の安全対策について
  4. 使い方を間違えると逆効果になる?

地震対策は地震のみならず、家族の命を助けることにもつながります。いざというときに後悔しないためにも、しっかりと対策しておきましょう!